冠詞に注意していますか?
Change is the law of lifeとChange is a law of lifeの違いを説明できますか?
「訳」ではなくそれぞれの「含み」を説明します。
Change is the law of life.
⇒「変化は人生において必然であり、常に変化が起こることは避けられない」という含みがあります。
Change is a law of life.
⇒「変化は人生の特質の一つではあるが、他にも様々な側面・性質がある」という含みがあります。
*人生における「変化」の捉え方の違いであり、その違いをaかtheによって英語は表現できます。
人生の本質が「変化」だと考える場合に、theを用います。
一方、「変化」は人生の一面だと考える場合に、aを用います。
*これは、theの本来の働き、「修飾を受けて特定化した名詞につく」用法が基にあります。
簡単な例文でみていきます。
The capital of Japan is Tokyo. 日本の首都は東京だ。
of Japanに限定されてcapitalが特定化(日本の首都は一つ)されて、Theを用いた。
もちろん、✖ A capital of Japan is Tokyo.⇐誤り!
⇒限定されて特定化した名詞には、a / an をつけてはいけない!
*注意!限定されていても「特定化」していない単数名詞ならば、aを使う!
Michael bought a car produced in Japan. マイケルは日本車を買った。
⇒日本で生産される車は沢山あるから、「produced in Japan」では特定化されません。
*関係代名詞による修飾(先行詞が単数)でも考え方は同じです。
特定化される⇒theを使う 特定化されない⇒a / anを使う
This morning I read a message that Susan sent me last night.
今朝、スーザンが昨夜送ってきたメッセージを一つ(だけ)読んだ。
⇒「スーザンは複数のメッセージを送ってきた」ことがaからわかります。
This morning I read the message that Susan sent me last night.
今朝、スーザンが昨夜送ってきた一つ(だけ)のメッセージを読んだ。
⇒「スーザンはひとつだけメッセージを送ってきた」ことがtheからわかります。
*先行詞が複数名詞の場合は、
特定化される⇒theを使う 特定化されない⇒何も使わない
These are shirts that Lisa has bought.
These are the shirts that Lisa has bought.
上は、「無冠詞の複数形」で下は「the+複数形」です。
以下は、それぞれの訳ではなく、ニュアンスの説明です。
上は、リサが買ったばかりのシャツ全体のうちの一部を表します。(例、買った5枚のうちの3枚とか2枚など)
下は、リサが買ったばかりのシャツのすべてを表します。(例、5枚買ったのならば、5枚全部)
*限定する語句がついていなくても、状況から一目瞭然の場合はtheを用います。
Can you wipe the tables? テーブル全部、拭いてくれる。
⇒「the+複数形」だから、目の前にある「すべてのテーブル」を表します。
It is cold in here. Please shut the window. ここは寒い。窓を閉めてください。
⇒一つだけ開いている窓が相手にも見えている。
では、最後に、aとtheが入った英文を見てそれぞれの働きを確認しましょう。
When a tourist visits a famous temple in Kyoto, the temple remains in Kyoto, and the memory goes to the tourist.
旅行者が京都の有名な寺を訪れると、その寺は京都から動かないが、寺の思い出がその人の心まで旅をする。
a tourist = 初登場だから、aを使う。
a famous temple in Kyoto = 京都の有名な寺は沢山あるから、特定化されないのでaを使う。
the temple = 二回目の登場で特定化されたのでtheを使う。
the memory = memoryは初登場だが、「その寺の思い出」だとすぐにわかるのでtheを使う。
the tourist = 二回目の登場で特定化されたのでtheを使う。
冠詞は日本語に存在しない品詞なので、弱点になりやすいです。
慣れないうちは、一つ一つ確認するしか方法はなさそうです。
では、今回はこの辺で失礼いたします。