ifなし仮定法を見抜こう! その2

では、if なし仮定法を見抜く目安を再確認します。

*現在の文脈に、突然、「would / could / might / should + 原形」が登場する

*現在や過去の文脈に、突然、「would / could / might / should + have + 過去分詞」が登場する

*以下のような倒置がある

were + S + ….. / had + S + 過去分詞 / should + S + 原形
were it not for + ….. / had it not been for + …..

では、例を挙げていきます。

1 Were it not for much rain, Japan would be one of the most comfortable countries to live in.

もし降雨量が多くなければ、日本は最も住みやすい国の一つになるのだが。

*were it not for で始まり、would be もある⇒仮定法だとわかる。
*were it not for much rain = if it were not for much rain

2 We dream of two events occurring simultaneously when in reality they could not possibly occur at the same time.

もし現実なら、絶対に起こるはずのない二つの出来事が同時に起こっている夢をみる。

*dream という「現在」の流れに、could not possibly occur が登場⇒仮定法だとわかる。
*in reality に「仮定」の気持ちが入っている。⇒「もし、現実の世界であれば」という条件

3 I am certain I could have performed twice the labor, both better and with greater ease to myself, had I known so much of the laws of health and life at twenty-one, as I do now.

もし、21歳の時に健康や人生に関する知識や原則を今と同じぐらい身に付けていたら、二倍の仕事をもっと効率的かつ易々とこなすことができたと確信する。

*現在形のamの後に、could have performed があり、さらに後にhad I known がある⇒仮定法だとわかる。

*had I known=if I had known=もし、知っていたならば

4 He was, I take it, the most perfect reasoning and observing machine that the world has seen, but as a lover he would have placed himself in a false position.

思うに、ホームズは推理と観察能力にかけては世界でも類を見ないほどの完全無欠の精密機械だが、もし恋愛でもしようものなら、無様な姿をさらけ出してしまうような男だった。

*was, take, has seen, と現在や過去の中に、would have placed ⇒仮定法だとわかる。

*as a lover =恋人としては⇒「もしホームズが誰かの恋人になったら」という条件

5 People often ask me why I chose medical profession. I answer simply, “I just couldn’t help it. I seem to have been for such work. Perhaps I should have been a miserable failure at anything else.”

なぜ、医師という職業を選んだのかよく人から尋ねられる。率直にこう答えている。「まあ、これしかなかったんです。もともと、向いていたようです。もし、ほかの仕事を選んでいたら、まったく使い物になってなかったかもしれません。」

*ask, chose, answer, couldn’t, seemの中に、shoul have been が登場⇒仮定法だとわかる。

*at anything else に「仮定」の気持ちが入っている⇒「なにか別の職業を選んでいたら」という条件

6 Courage, it seems to me, is simply something that helps logic from working, allows a recklessness to operate which ordinarily would be termed foolishness.

私の印象では、勇気とは合理的な判断をおさえて、通常であれば愚行とみなされるような無謀な行動を起こすことに他ならない。

*seems, is, helps, allows という「現在」の流れに、would be が登場⇒仮定法だとわかる。

*ordinarily に「仮定」の気持ちが入っている⇒「もし、通常であれば」という条件

7 I envied him his gift for languages. How I should have loved to have that ease with which he learned or seemed to learn one language after another.

彼の語学の才能が羨ましかった。あれほど易々と次から次に言語を習得していく(ように私には思えたのだが)力が自分にあったらどれほど嬉しかったかと思う。

*envied, learned, seemed という「過去」の中に、should have loved が登場⇒「仮定法」だとわかる。
*to have that ease 以下に「仮定」の気持ちが入っている⇒「もし、自分が彼のように易々と言語を習得することができたら」という条件

8 Just as the destruction by fire of his papers was complete, Newton opened the chamber door, and perceived that the labors of twenty years were reduced to a heap of ashes. There stood little Diamond, the author of all the mischief. Almost any other man would have sentenced the dog to immediate death.

書類がすべて完全に燃え尽きた時に、ニュートンは部屋の戸を開けて、20年かけた労作が灰燼に帰してしまったことを知った。そこには、この惨事の張本人である愛犬ダイアモンドがいた。他の人間ならばほぼ間違いなく、即座にこの犬に死刑を宣告したであろう。

*was, opened, were, stood という「過去」の中に、would have sentenced が登場⇒「仮定法」だとわかる。
*Almost any other man に「仮定」の気持ちが入っている⇒「ニュートン以外の他の人間であったならば」という条件