さて、久々の「英文読解」はバートランド・ラッセルをほんの少々。
ノーベル文学賞受賞者の毒舌をご覧あれ。
A stupid man’s report of what a clever man says is never accurate, because he unconsciously translates what he hears into something that he can understand.
⇒馬鹿が賢い人間の考えを説明すると、絶対に本来の内容が伝わらないんだよ。連中は、聞いた話を自分がわかるレベルに置き換えるからね、本人も気づかないうちに。
*どうです、この毒舌、要は「馬鹿には賢い人間の考えは理解できない」とズバリ断言しております。
前半のnever と後半のunconsciouslyがイイ味を出してますね。
上記の訳は、「ぶっちゃけ訳」で、あとから直訳を出します。
では、以下に、英文の構造分析を。
前半(becauseの前)の文構造は、SVC=第二文型
A stupid man’s report = S
is = V
accurate = C
of what a clever man saysのofは、目的格関係を表す働き
whatは関係代名詞
a clever man = S
says = V
では、直訳(逐語約)しますが、分かりにくい変な日本語になります。
⇒愚かな人の賢い人が言うことの報告は、決して正確ではない???
次に、目的格関係のof を意識して、名詞のreport を動詞のように、
what a clever man says を目的語のようにして訳してみます。
⇒賢い人がいう事を愚かな人が報告すると、決して正確ではない。
ここから、ちょっと意訳します。
⇒愚かな人が賢い人の発言を説明すると、その内容は常に不正確だ。
では、後半を見ていきます。
文構造は、SVO =第三文型
he = a stupid man = S
translates = V
what he hears = O このwhat も関係代名詞(he = S, hears = V)
translate + O + into ~ =Oを~に移す・翻訳する
something that he can understand のthatは関係代名詞で、後ろからsomethingを修飾する。
he = S
understand = V
では、直訳します。
⇒なぜなら、愚かな人は自分が聞くことを無意識のうちに自分が理解できるものに移しかえるからだ。
後半は直訳でもまあまあ良さそうですね。
では、全体をまとめて訳します。
拙訳を二通り。
⇒賢い人の発言を愚かな人が伝えると、きまって内容が違ってくる。自分が聞いたことを無意識のうちに、理解できることにつくり換えるからだ。
⇒賢者の話を聞いた愚者がその説明をすると、本来の内容は決して正確には伝わらない。自分でも気づかないまま、耳にした内容をわかる範囲に読み替えてしまうからだ。
いやはや、バートランド・ラッセルというお方は言いたい放題です。
ん? ここで、ちょっと不安。
拙訳と解説で、今回の英文を正確に説明できているのだろうか?
もし、不正確なら、ブログ主もstupid ということだ!(冷や汗、、、)