帝国海軍の「戦艦大和」と最近話題の「パナマ運河」との関係とは?!

最近、やたらパナマ運河がニュースに登場する。
トランプ大統領の例の発言が原因だ。
当ブログは、この米大統領のファンでもなければアンチでもない。

ただ、パナマ運河と聞くと、つい、反射的に戦艦大和を連想してしまう。
はてさて、一体、どういうわけか、、、、大東亜戦争に詳しい人なら「あ、あのことだな」と即座に反応するだろう。

ずばり、大和のずば抜けた巨大さ。
帝国海軍が、大和という世界最大・最強の戦艦を建造しようとした動機のひとつが、その超ド級の巨体にある。
満載排水量が7万2000トンを超える、大和型戦艦はその途方もない大きさゆえに、パナマ運河を通過することができない。

それゆえ、もしアメリカが同規模の戦艦を建造・保有しようとすると、日本を睨んだ太平洋側に一隻釘付けにするか、大西洋側にも同型艦を配備する必要がある。
従って、戦艦建造競争において、日本が一歩リードできるという発想であったらしい。

事実、現アメリカ海軍の原子力空母なども、大きすぎてパナマ運河通航が不可能だ。
だから、南米を回ってマゼラン海峡経由で行動する。

実際には、旧海軍は大和と姉妹艦・武蔵の二艦を完成させたので、米海軍が両方面で同規模艦を展開するためには四隻が必要となるはずだ、という読みが当時の海軍艦政本部にはあったようだ。

大和型戦艦建造計画のもう一つの契機は、その強大な破壊力である。
戦艦長門(ながと)や陸奥(陸奥)の40センチ主砲よりも一回り大きい、46センチ砲を製造して試射してみると、その威力は想像を絶する程であった。
ここから、この巨大砲を搭載した戦艦を建造する動きがうまれたようだ。

というわけで、近頃、トランプがらみでパナマ運河関連の報道がなされるたびに、戦艦大和のことを考えてしまう。

では、これで終わるのも、ちょっと寂しい感じもするから、「やまと」つながりで、倭建命(やまとたけるのみこと)が故郷の大和を偲んで、詠んだ歌を『古事記』から紹介しよう。

⇒「倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく 青垣(あおがき)山 隠(こも)れる 倭し 美(うるわ)し」

蓮田善明氏による現代語訳を以下に引用する。

⇒「大和は夢に包まれて 重なりつづく山脈(やまなみ)の 青き垣なすその中に 隠(こも)る大和のうるわしさ」

ついでに、倭建命について、もう少し紹介する。
ヤマトタケルノミコトは、『古事記』では「倭建命」と表記されるが、『日本書紀』においては「日本武尊」となる。
第十二代景光天皇の息子である。

倭建命(日本武尊)自身は即位しなかったが、その息子が第十四代仲哀天皇である。
この仲哀天皇の皇后が、あの有名な神功皇后であり、その子が第十五代応神天皇。
応神天皇といえば、、、、、と日本神話の話を続けると、これはキリがないので、この辺で。

再度、戦艦大和の話に戻ろう。

大和建造計画に対して、あの山本五十六は大反対であった。
どんな巨艦を造っても、浮沈はありえない、必ず航空機による攻撃で撃破される、と何度も主張した。
大和と武蔵の建造に必要な資金と資材をもってすれば、どれほど日本の航空兵力が充実することかと力説したが、、、、

結局は、強硬な賛成派に押しきられて、二隻の超巨大戦艦が誕生した。
そして、山本五十六の戦死後に、提督生前の予言は的中した。

昭和19年10月、武蔵はレイテ沖海戦にて、アメリカ海軍艦載機の波状攻撃を受け、数十発の爆弾や魚雷を被弾し、シブヤン海にて沈没した。
大和も、昭和20年4月、沖縄に向かう途中に、延べ約400機の米航空機による激しい爆撃・雷撃を全身に被って、海中に没する。

今回は、小ネタ集とは銘打ってはいないが、ここまで文字を連ねてみると、結果的にはそうなってしまったようだ。
パナマ運河、戦艦大和、日本神話、山本五十六の予言などなど。
それでは、本記事はここまでということに。