モンゴル人から見た支那 その4 ~ 支那によるウイグル人ジェノサイドと同化政策

このシリーズも、これで四回目。
モンゴル生まれで、日本に帰化した楊海英教授の視点はブログ主にはとても新鮮だ。

本題に入る前に、お断わりを。
今回も、広島・岡山・山口・鳥取・島根の方々には、本当に申し訳ありませんが、Chinaのことを「中国」と表記させていただきます。

さて、楊教授によると、中国を理解するためには、以下の三つの視点が重要だと言う。

①歴史の書き換え
➁他民族弾圧
➂対外拡張(領土拡大)

①の「歴史の書き換え」については、本シリーズの「その2」で触れた。
今回は、➁の「他民族弾圧」に目を向けたい。

◎ 最近、話題のユニクロ柳井会長と新疆ウイグル自治区について

新疆ウイグル自治区に関しては、最近、ユニクロの柳井会長発言がネットニュースで話題になっている。
BBCのインタビューを受けた柳井氏が「ユニクロは新疆ウイグルの綿を使わない」と語ったとされている。

ただ、実際に柳井氏が「ウイグル産」と明言したかどうかは、よくわからない。
BBCの記事を読むと、「” By mentioning which cotton we’re using…” he continued, before pausing and ending his answer with: “Actually, it gets too political if I say anymore so let’s stop here”.」とある。

上記の英文を読む限りでは、「どこの綿を使用しているかに言及すると、政治色の強すぎる話になるので、これ以上は触れずに、ここまでとしておきましょう」と柳井氏は答えている。
ブログ主が目を通したBBC記事には、インタビューの全文は記載されていなかったので、その前後関係は不明だ。

ネットのコメント欄には、「柳井氏は政治的中立を保ちたいと言っていたのに、結局言わされるはめになった」など、要は、ユニクロ会長がBBCに嵌められたような意見もあるが、、、、
まあ、当ブログとしては、あくまで「真相はわからない」としか言えない。

◎ 中国政府によるウイグル人ジェノサイドと同化政策

現在、新疆ウイグル自治区でどんな蛮行がなされているのかを、楊教授の著書から引用する。

⇒「そうしてウイグルでは、100万人単位のウイグル人男性が強制収容所に収容され、ウイグル人女性の家庭には漢族が親戚として住み込んで、子供を産ませているというような事態が生じたのである。これは、漢人の血をウイグル人の血と混ぜることにより、中国的色彩を強めようとする、人種差別、民族の絶滅を進める行為である。
これはいわば身体的同化ともいえる許し難きもので、弾圧や民族浄化などというよりも、血をもって物理的に同化させる、まさにジェノサイドとしかいいようがない」

楊教授の指摘通りだとすれば、中国政府の行為は言語道断で、非道極まりない。
そして、人権団体や多くの専門家も、同様の報告を行っている。

*中国政府はウイグル族やカザフ族などのイスラム教徒に対して、集団拘束・監視・拷問等を行っている。
*ウイグル自治区の少数民族の人口を管理するために、強制不妊手術や中絶等を実施している。
*新疆地区の収容所では、殴打・電気ショック・身体拘束・睡眠妨害・独房収監などの拷問が日常茶飯事である。

上記以外にも、様々な弾圧・人道に反する罪を中国当局は少数民族に対して加えているようだ。

◎ 中国政府はなぜ、ウイグル人を弾圧するのか? 楊教授による分析

テュルク系民族であるウイグル人は、目が青くて金髪の人が多い。
つまり、漢人とは容貌が全く異なる。

教授によると、漢人はウイグル人が自分たちとは「心が異なる」と考える。
(この中国人の態度を楊氏は「異心論」という用語を用いて説明している)
身体的特徴が、漢人と異なることに恐怖を覚え、それがウイグル人に対する「異心論」につながると、教授は説明している。

さらには、歴史の中で生まれた中国人の複雑な「負の感情」が他民族への攻撃行動の根底にあるとも指摘している。
楊教授の説明を引用しよう。

⇒「現在の中国が世界から批判されているウイグルやチベット、それにモンゴルといった少数民族の弾圧も、非連続なようで連続性のある歴史的行為の反復ともいえるのである。
(中略)その征服を目的とする膨張(注 中国が他民族を攻めることを指す)はうまくいかなかったことが多く、歴史的に少数民族をまともに統治した経験がないのも確かである。
それゆえ、一種の負け惜しみ、恐怖心、あるいは敵愾心から、周辺の異民族を「東夷・南蛮・北狄・西戎」と呼び、モンゴルやウイグル、チベットに代表される民族弾圧を繰り返してきたのだと私は考える」

内モンゴルに生まれ育った楊教授には、中国の「負け惜しみの歴史観」が体験的に実感できるようだ。

◎ 中国人とは、なんとも奇妙な連中

中国人は、とにかく自分たちにとって都合のいい虚構を堂々と主張する人たちのようだ。
楊教授の著書には、中国各地から紀元前の金髪碧眼の白人系ミイラが多数出土している事実が紹介されている。
これは、大昔、ユーラシア大陸の東西にかけてインド・ヨーロッパ語族の大移動が行われていた証拠であり、科学的にも証明されている。

ところが、中国は「中国には、いまだかつて中国人しかいなかった」という作り話を大真面目に唱えているという。
さらには、「中国人は北京原人の子孫である」というのも定説となっているそうだ。
周知のように、北京原人は太古の昔に絶滅した化石人類である。
いやはや、なんとも、、、、、

どうやら、中国では非科学的・反知性的な言説が大手を振って通用しているようだ。
まあ、勝手にすれば、、、

それにしても、毎回書いているが、楊教授の『中国を見破る』は大変興味深く読むことができる好著だ。
常連の皆様も、手に取ってみてはいかがだろうか。
今回は、この辺にしておこう。