さて、すっかりお馴染みになってきました。
今回も大航海時代(=大侵略時代・大虐殺時代)に当時の西欧列強がどんな振る舞いをしたかを見ていきましょう。
まず、連中の悪行三昧と一体化したローマ教皇の動きも含めて、15世紀の身勝手な取り決めの確認です。
*1481年 教皇シクストゥス四世による布告
⇒カナリア諸島以南の新領土は全てポルトガルに与えられるという内容
*1493年 教皇アレクサンデル六世が定めた「教会子午線」
⇒北アフリカの沖合、ヴェルデ諸島の西方100レグア(1レグアは約5.5キロ)の子午線を分界線とし、その東をポルトガル、西をスペインで領有するというもの
*1494年 スペイン・ポルトガルの「トルデシリャス条約締結」
⇒二国間の交渉により、教皇子午線をさらに370レグア西に移動させることで合意
以前も書きましたが、勝手三昧のやりたい放題。
当時の大国とローマ教皇のタッグチームのせいで、どれだけ多くの善良な人々が泣かされ、略奪され、奴隷化され、虐殺されたか、、、
では、ここからスペインの悪逆非道・暴虐三昧ぶりを挙げていきます。
◎「コンキスタドール(Conquistador)」とは
スペイン王の命を受けて、海外侵略に赴き、他民族を虐殺し略奪の限りを尽くした極悪非道の鬼畜。
コンキスタドールとは「征服者」を意味する単語です。
凄いですね~、そのまま「征服者」ですから、露骨と言うか、やる気満々。
歴史用語としては、特に15世紀から17世紀にかけてのアメリカ大陸を侵略した悪逆非道のスペイン人ならず者のことを指します。
中でも、とりわけ悪名高いのが、コルテスとピサロ。
◎1521年、コルテスがアステカ王国を滅ぼし、メキシコを征服
とにかく、この鬼畜の悪行ときたら、「悪辣非道」という表現を100回繰り返しても足りない!
そこで、その一部を箇条書きで列挙します。
*先住民の大虐殺
⇒荷担ぎ労働者を集めるという口実で数千人のインディオ集めて、スペイン人が一斉に襲い掛かるという、要は「だまし討ち」で全員を殺害。
⇒酒を飲みながら祭りに興じているインディオ達を油断させるために、スペイン人は祭りを見ている振りをする。
そして、インディオ達が酔ったころを見計らって、一気に攻撃して全員を切り刻んだ。
もう、卑怯というか悪辣というか、当該のスペイン人はまさに悪魔。
*アステカ王を騙して捕らえる
*アステカ全土から、莫大な金銀を略奪
もう、このくらいで、、、、
◎1531年、ピサロがインカ帝国を征服
現在のペルー、エクアドル、コロンビア一帯をスペイン領とする。
こいつの非道三昧の一部を以下に列挙します。
*インカ皇帝を生け捕りにして、その身代金として莫大な貴金属を受け取る。
その後、インカ皇帝を殺害する。
*ピサロはインカ皇帝が使用していた黄金の輿も奪って、自分のものとした。
この輿は純金製で、重量は83キロもあったという。
*インカの首都クスコに入った後も、神殿の財宝を略奪。
その他、多くの町で強奪を繰り返した。
*コルテス同様、ピサロも多くの先住民を虐殺した。
もう、このくらいで、、、、
◎この人でなし連中が残した負の遺産
*スペイン人のいう「新世界」に渡ったものはほとんどが男だったから、自然に白人とインディオの混血がおこった。
(ここまでは、まだいいのだが)
次第に混血の人々が増えてくると、メスティーソ(=白人とインディオの混血)とムラート(白人と黒人の混血)を白人の下に置く身分制度を作った。
*エンコミエンダ制によりインディオの人口が減少した。
ただでさえ、二匹の悪鬼による大虐殺で人口が急激に減っていったインディオは、スペイン植民地下におけるエンコミエンダ制により実質上、奴隷化され酷使されたために激減した。
*「エンコミエンダ制」については、またの機会に記事にする予定。
◎当時、最強と言われたスペインも日本にはかなわず。つまり、16世紀・17世紀の日本こそ真の世界最強!
スペイン人がはじめて日本に来たのは、1584年のこと。
その後、マニラを拠点にしたスペインの対日貿易が始まる。
さらには、スペイン系のフランシスコ会の宣教師が日本に上陸して、布教を開始する。
別の記事で触れたように、スペインやポルトガルは日本を植民地にする腹積もりであり、キリスト宣教団はその先兵であった。
しかし、秀吉の朝鮮出兵が野蛮なスペイン・ポルトガル両国の野望を打ち砕いた。
さしもの西欧列強も日本の強大な軍事力に震えあがったのである。
江戸時代に鎖国政策を採れたのも、当時、徳川幕府が世界最強の軍事政権だったからである。
自分より強いものには手が出せない ~ この当たり前の事実を忘れている人が多いのではないか。
◎おわりに
大航海時代(=大侵略時代=大虐殺時代)の西欧列強による悪魔の所業をもっと具体的に知りたい人には、以下の文庫本の一読をお薦めします。
ラス・カサス著 染田秀藤訳『インディアスの破壊についての簡潔な報告』岩波文庫。