可能性のcan(ありうる)と推量のmay(かもしれない)の違い

この二つは訳語で区別するのが普通ですが、実はハッキリとした違いがあります。
参照した文法書、語法書は一番下にまとめておきます。

では、このふたつの違いを「訳」を使わずに説明すると、以下のようになります。

*can は「理論上の」可能性を表す
*may は「現実的な」可能性を表す

例えば
a. That can be improved.⇒改善されることは、理論上はありうる、という含みを出す。
b. That may be improved.⇒実際に、改善に向けての動きがある、という含みを出す。

*つまり、mayの方がcanよりも実際に起こる可能性が高いのです。

下の例文も「訳」ではなく、「含み」を説明します。
c. Anybody can make mistakes.⇒一般論として、人はだれでもミスをする、という含みです。
d. The children may be back any moment.⇒外出している子供たちがいつ帰ってきてもおかしくない、という含みです。

e. Accidents can happen to anybody.⇒理論上、事故は誰にもおこる、という含みです。
f. An accident may happen if you ignore the traffic lights.⇒信号無視をすれば、実際に事故がおこりやすい、という含みです。

g. We can go to Osaka this weekend, because I don’t have to work.⇒仕事は休みだから、その気になったら、行く可能性はあるよ、という含みです。
h. I may go to Osaka tomorrow.⇒実際に行く可能性が高い、という含みです。

今回は、あえて訳さずに、「含み」を説明しました。

では、mayの実現可能性はどの程度なのでしょうか?
言葉の問題ですから、一概にはなかなか言えないと思います。
でも、これに関してある語法書は、ひかえめのmightと比較して以下のように記述しています。

I may go to London tomorrow. (perhaps a 50% chance)
Joe might come with me. (perhaps a 30% chance)

*大雑把ですが、だいたいmayは50%、mightは30%ぐらいのようです。
*一つの目安として覚えておくと役に立つかもしれません。

今回はcanとmayの使い分けについてふれました。
下に、参照した文法書・語法書を並べておきます。
正式な形式ではなく、「書名(著者名)」という簡単な表記とします。

・A Communicative Grammar of English ( Geoffrey Leech and Jan Svartvik )
・Practical English Usage ( Michael Swan )
・A Comprehensive Descriptive Grammar of English ( Renaat Declerck )