さて、第二弾です。
九段理江さんの発言、「5%ぐらいは生成AIの文をそのまま使用しています」が独り歩きしている感があります。
この件に関して最近知ったことを絡めて、今回の記事を書いています。
◎九段さんの発言の真意、背景
*そもそも、今回の受賞作『東京都同情塔』の中でAIを登場させる必要があった。
*だから、作中のAIが打ち出したとする文章は本物のAIが作成した文を使う方が効果的である。
*作中で登場人物が書いた文とAIが作った文章を対比する必要もあった。
以上のように、九段さんが「小説にAIを登場させる」というオリジナルの発想をもとに受賞作を構想して、それを活かすためにChatGPTを利用したというのが真相です。
さらに、九段さんはこう語ります。
「実際に小説を読んでいただけたら、どこでAIを使っているかは簡単に見分けがつくと思いますので、その部分を見分けたりする過程も含めて楽しんでいただけたら」
ということですから、ブログ主は今回の受賞に関してはなんの問題もないと思います。
ですから、九段理江さんを讃え、祝福したいと思います。
皆さんはどう感じますか?
◎ブログ主は勉強不足でした!
*すでに、昨年(令和5年)にAIと作った小説が文学賞を獲得していた。
*昨年の「星新一賞」において、葦沢かもめさんの『あなたはそこにいますか?』が一般部門優秀賞を受賞した。
*葦沢さんは、AIが生成したあらすじを基に執筆したり、AIが書いた文章の編集などを通して、AIと共同で小説を作っているとのこと。
つくづく、自分の無知を思い知らされました。
すでに、このような動きが文学界に起きていようとは!
*星新一賞は、応募規定で「人間以外(人工知能など)の応募作品も受け付けます」としている。
*昨年度の応募作品2603編のうち、AIを利用して作られた作品は114編あったという。
いや~、時代の流れは凄いですね~。
もっとしっかりアンテナを張らないと、と反省した次第です。
もちろん、芥川賞と星新一賞ではその性格が違うので、個別に検討する必要はありそうですが。
◎芥川賞選考会でも問題視していないという事実
*選考委員の平野啓一郎氏は以下のようにコメントしている。
「読めばわかりますが、作中に生成AIが出てきて、その部分の話であって、地の文でどこで使用されたかわからないような形でまぎれているわけではないです。そういう使い方の問題も今後は出てくるでしょうが、『東京都同情塔』はそうではないので、選考会でもそのこと自体が特に問題にはなりませんでした」
◎今後の論点は?
*上の平野氏のコメントの「そういう使い方の問題も今後は出てくるでしょうが」の部分が今後の一つの論点になるのでは?
*つまり、「地の文」と「AI作成の文」の見分けがつかないような使い方をした場合は問題視されると平野氏は示唆しているようだ。
*しかし、作者が自己申告しなければ、判別は困難かもしれない。
というわけで、知り得た最新の情報をもとに、再度、「AI活用で芥川賞」について記事にしてみました。
まあ、SNS等で九段さんに難くせをつけたい人はどうぞご勝手に。
自分の品性と知性が疑われるだけですから。
ブログ主は九段理江さんを陰ながら応援しています。
この作品、読んでみようかな~。
追記
この件については、海外のメディアでも取り上げられているようです。
もしかしたら、その辺の情報を集めて、再度記事にするかもしれません。