「先輩、助けてください」
「なんだ?いきなり、、」
寮の一年生が二人、深刻な顔で話しかけてきた。
事情を聞くと、例のG研からしつこく勧誘されているとのこと。
「寮にいることがバレちゃって、明日、来るって言うんです」
「そっか~、寮が知られてるなら逃げようがないな。なんとか、しなきゃな」
とは言うものの、さて、どういう手でいきますか。
もめ事は嫌いなタイプだから。
翌日、夜7時ごろ、やって来ましたよ、G研が二人。
一年生の部屋まで教えるわけにはいかないので、玄関ホールで対応。
やれ、「大学公認」だの、「学習会」がどうのこうのと自分たちを売り込んでくる。
ある程度は知ってはいたが、面と向かって対応するのはこちらも初めてだった。
最初から、こちらも話に入るが、なかなかにシツコイ。
「ああ言えばこう言う」状態で埒が明かない。
なだめすかしても、効果なし。
もう、こうなったら、仕方ないね~。
「お~い、川口~」と同期を呼ぶ。
すると、談話室でテレビを見ていた連中がゾロゾロと。
「お~、どうした」と言いながら、G研のお二方を取り囲む。
まいどおなじみ川口。
剣道部の松木に、アイスホッケー部の西川、実戦空手の東田などなど、うちの寮の肉体派の登場。
学内の有名人に包囲されて、G研の二人は借りてきた猫状態。
すっかり勢いを失い、かわいそうなくらい萎縮しております。
事情を知った西川と東田はすでに殺気立っているし、巨漢・巨頭の松木が静かに上から二人を見据えている。
「あ、あの、、、」G研はすでに戦意喪失。
「この二人を勧誘するのは、今後一切やめてもらいたい」と川口。
「すいませんでした。もうしません」
G研の二人の名前、学科、住所等を確認してから解放。
乗り込んで来たわりには、這う這うの体で帰っていった二人。
一年生からは、感謝され、一応先輩としての役割は果たしたのかな?
いや、冷静に考えると、ブログ主は何にもしてないなあ、ハハハ!
その後は、全く接触してこなかったということで、無事解決。
まあ、いろんなことがあった寮生活。
振り返ると、すべてが懐かしい。
寮生活っていいですよ。
今回は、「寮生活は風雲急!」でした。
ってタイトルが大げさだよ。
蛇足
うちの寮生は無事だったが、G研は当時、各地の大学で乱闘事件や暴行事件をおこしていた。
多くの大学がG研への注意喚起を公式に発信している。
現在は、「C」と呼ばれることが多いらしい。