英語で読むHelen Kellerの言葉

さて、今回はヘレン・ケラーの言葉です。
こちらから説明せずとも、皆さんご存じのことでしょう。
では、彼女の言葉です。

The best and most beautiful things in the world cannot be seen or even touched ー they must be felt with the heart.

⇒この上なく素晴らしくて最高に美しいものは目に見えないし、触れもしません。
心で感じるしかないのです。

今回のヘレンケラーの言葉で、以下の3点を完全理解・暗記しましょう。

①「助動詞+受動態」
➁「受動態」でも「能動態」で訳す
➂「受動態+with」と「受動態+by」の違い

では、①~➂は登場時に解説します。

ダッシュ(ー)の前までを見ていきます。

The best and most beautiful things in the world cannot be seen or even touched

The best and most beautiful things = S / cannot be seen or even touched = V

さっそく、①です。
「助動詞+受動態」は「助動詞+be +過去分詞」になります。

「cannot be seen or even touched」の所が、「助動詞(can)+be+過去分詞(seen or touched)」の形です。

次に、➁を説明します。
「受動態」を直訳したら、ぎこちない日本語になる場合は「能動態」のつもりで訳します。

今回の受動態を直訳すると、「見られることもできないし触られることすらできない」となり、少々重たいです。
だから、能動態のつもりで、「見ることもできないし触ることすらできない」とします。

では、ダッシュの前までを訳します。
⇒世界の中で一番良くて一番美しいものは、見ることはできないし触ることすらできない。

続けて、ダッシュ以下をみましょう。

they must be felt with the heart.

they = S = The best and most beautiful things / be felt = V

ここの受動態も➁の考えで訳します。
⇒それらは、心で感じなければならない。

では、③を見ていきますが、以下のように大きな違いがあります。
(しかも、このポイントは英文読解にとても役立ちます)

*受動態+by+動作主(=能動態にすると、主語になる)
*受動態+with+道具など(=能動態にしても、主語にならない)

The snake was killed by a heavy stone. の場合は「a heavy stone が動作主」ですから、蛇を殺したのは重い石です。落石などで蛇の上に重い石が落ちて、蛇が死んだ場合などが考えられます。

一方、The snake was killed with a heavy stone. の場合は「a heavy stone は道具」 ですから、誰かが重い石を使って、蛇を殺したと考えられます。

では、②を使って、蛇の例文を訳してみます。
byの方⇒重い石が上から落ちてきて、その蛇は死んだ。

withの方⇒誰かが重い石を使ってその蛇を殺した。

ヘレンケラーの文に戻ります。

they must be felt with the heart. の場合はwithですから、「人が心を使って」というニュアンスです。

では、全体の訳を確認します。
⇒世界で一番良くて最も美しいものは見ることができないし触ることもできない。それらは、こころで感じなければならない。

今回の英文読解は、ヘレンケラーの言葉でした。
①~③をしっかり理解・暗記しましょう。

蛇足ですが、ヘレンケラーさんが言う「The best and most beautiful things in the world」とは何なのでしょうか。
thingsと複数形にしてますね。

loveやhappinessやaffectionとかfriendshipでしょうか。
kindnessとかinner beautyやhopeとかhonestyでしょうか。

では、今回はこの辺で失礼いたします。