天才科学者アルベルト・アインシュタインは、恩義を感じていた人々に対して、一日に何回も感謝していたようです。
では、本人の言葉を、
Many times a day I realize how much of my own outer and inner life is built upon the labours of my fellow-men, both living and dead, and how earnestly I must exert myself in order to give in return as much as I have received.
⇒自分の研究成果や思索のほとんどは、過去と現在の科学者や研究者による数々の業績の上に築かれていることを常日頃から実感するし、受けた恩恵を十分に返すためには必死で努力せねばならないと肝に銘じている。(⇐かなり意訳した拙訳)
長い一文です。
Many times a day = 文頭副詞句です。
I = S
realize = V
how much ~ I have received = O⇒つまり全体は、SVO=第三文型です。
Oの部分の前半を見ていきます。
how much of my own outer and inner life is built upon my fellow-men, both living and dead
how much of my own outer and inner life = S
is built = V (受動態)
both living and dead はfellow-menを修飾している。
ここまでを訳してみます。
⇒一日に何度も、自分自身の外的生活と内的生活のいかに多くの部分が、仲間たち(故人も含む)の努力のもとに築かれていることを実感する。
Oの後半部分を見ていきます。
and how earnestly I must exert myself in order to give in return as much as I have received
I = S
exert = V
myself = O⇒ここも、 SVO=第三文型です。
ただ、このexert oneself = make a big effort だから、全体でVとしても可。
in order to ~ ~するために
as much as = as 現級as のパターンです。
I = S
have received = V
では、後半部分を訳してみます。
⇒そして自分が受け取ったのと同じだけのものを返すためにはどれほど真剣に努力しなければならないかも(実感する)。
では、全体を訳してみます。
⇒一日に何回も、自分自身の外的な生活と内的な生活のどれほど大きな部分が、過去や現在の仲間たちの努力のもとに築かれているかを私は実感し、また自分が受けただけの恩恵を返すためには、いかに真剣に奮闘しなければならないかをひしひしと感じるのである。
*how much とhow earnestlyを直訳すると、上のようになってしまうので、少し意訳すると、
⇒一日に何度も、今の自分の外的な生活と内的な生活のほとんどは、過去から現在までの仲間たちの努力のもとに築かれていると心から思うし、自分が受けた分の恩恵を返すためには必死で努力しなければならないと実感する。
*蛇足
最初に挙げた「かなり意訳した拙訳」は以下の点を考えて、あのような訳にしています。
・howを「いかに」とか「どれほど」とは訳さずに、処理した
・outer and inner life を少し説明的に訳してみた
・the labours は直訳すると、「それらの仕事すべて」となりそうだが、fellow-men が「科学者や研究者」であろうことから、「数々の業績」とした
・living and dead も直訳を避けた
・realize の訳を前半と後半とで変えた