「パチンコいこまい」
「ん?」
「パチンコいこまい」
「は?」
剣道部のMが話しかけてきた。
いこまい?
「パチンコ」は聞き取れるけどなあ、、、
よくよく、Mに確認すると、パチンコに誘っているらしい。
つまり、「いこまい」=「行こまい」⇒「行こうよ」とのこと。
ちょっと待ってよ、なんで語尾の「まい」が誘いの意味を出すんだ?
よくはわからないが、これが、名古屋弁の「まい」の働きらしい。
不思議だな~、名古屋弁って。
大体、「まい」って「否定」を表さないか?
いや、「否定」が「勧誘」を表すこともある。
特に、否定で疑問文のときなんかに使うよな。
「今日、仕事終わったら、ビール飲みに行かないか」は相手を誘う言い方。
「か」を省いて、「ビール飲みに行かない」でもイントネーションによっては、誘いになるし。
う~ん、この辺は素人が迂闊なことは言えないぞ。
まあ、とにかく、名古屋弁では、「行こまい」=「行こうよ」の意味のようだ。
Mは学生寮の同期生。
この寮は、北は北海道から南は宮崎県まで日本各地から学生が集まっていた。
寮内には常に多様な方言が渦巻いていた。
「てげてげ」
「じゃ~じゃ~」
「なまら」
「とっと~と」
いやはや、寮生活は日々、未知の方言との遭遇。
これは、結構、大きなメリットですよ。
実際のアクセントやイントネーションを伴った「生の方言」に接することができる。
当然、毎日の暮らしの中で、いろんな背景(各地の文化・生活様式)を持った同期・先輩・後輩と触れ合うわけだから。
ちょっと大げさだけど、寮内が「ケンミンSHOW」みたいなもの。
え?
寮には門限があるから、嫌だって?
確かに、普通、門限はある。
ただ、寮の造りによっては、クリアできるかも。
例えば、うちの寮は寮本館は門限後に玄関が施錠される決まり。
ただ、敷地に入るための鉄製の扉は開くことができたから、、、
寮本館の端部屋の住人に、部屋の窓のカギを絞めないように依頼しておけば、、、、
あと、うちの寮は四階建てで、外壁に鉄製の「取っ手」のようなものが、数十センチの等間隔で屋上まで付いており、これを使って屋上まで登ってしまえば、そこから自分の部屋へ。
快適な寮生活でしたね。
それにしても、「まい」が相手を誘う表現になるとは!
この点は、また素人なりにチョット考察してみようかな。
なんか、「まい」は奥が深そうだ。
名古屋弁、恐るべし!