NHK朝ドラ『らんまん』、最高!
本日、令和5年9月13日放送回にも、南方熊楠が登場!
ただ、今回も本人役は登場せず。
それなのに、強烈な存在感がある!
さすが、南方熊楠!
万太郎が何かを熱心に読んでいる場面。
手にしているのは、熊楠の英文論考、” The Constellations of the Far East”
「東洋の星座」または『極東の星座』という邦題がついている。
熊楠の英雑誌” Nature” への初投稿、初掲載英文論考である。
この英文論考は、” Nature” の1893年10月5日号に掲載された。
雑誌『ネイチャー』(ここから、カタカナ表記)は1869年創刊で、現在も刊行されている、あの『ネイチャー』!
世界で最も引用されている科学雑誌として有名な、あの『ネイチャー』!
ちょっと、くどいか。
熊楠の凄さを強調するために、少々力が入りすぎか。
熊楠は在英時代から帰国後にわたる長期間に、この『ネイチャー』に50篇の英文論考を発表した。
ちなみに、別の英雑誌” Notes And Queries” には、323篇の英文を寄稿。
さて、今日の『らんまん』には熊楠が万太郎に送った「開花したハチク」が登場する。
この場面は史実にほとんど忠実のようだ。
南方熊楠顕彰館(和歌山県 田辺市)の調べによると、熊楠が120年前に牧野富太郎に送った標本の中に開花したハチクが含まれていたという。
ハチクは120年周期で開花するとされるが、その生態には謎が多いそうだ。
顕彰館の確認で、このハチクの標本が1903年9月27日付の地元紙に包まれていたことが明らかになった。
折しも、今年、2023年、地元の田辺市ではハチクの開花が確認されている。
熊楠の標本は「120年周期説」を裏付ける貴重な証拠となりそうだ。
本日の『らんまん』の終盤には、なにやら不穏な空気が、、、、
「いいか、槙野。植物学教室教授として命ずる。深入りするんじゃない!」
万太郎に熊楠とは深い付き合いをするな、と徳永教授がくぎを刺す。
熊楠ファンには毎度おなじみの、神社合祀反対運動である。
これに関しては、説明すると非常に長くなるので、また当ブログの「小ネタ」あたりで触れる機会があれば、、、
ただ、一点だけ。
熊楠は神社合祀に反対するなかで、文字通り「体を張った」のである。
神社合祀を推進する県の役人と面会しようとして、少々不適切なふるまいがあり、投獄された(18日間)。
さて、そこからが大変。
「熊楠入監」の報を聞き、地元の熊楠ファンは大暴れ!(=熊楠は愛されキャラ)
一部の者たちは、郡長宅に侵入し、庭内を荒らしまわって憂さ晴らし。
さらには警察署や裁判所にも抗議活動で押しかけて、中には巡査を投げ飛ばす剛の者も。
和歌山市の弁護士会も熊楠の収監反対に声を上げ、世論も味方し、このままではマズイと感じた予審判事は、微罪として免訴・放免と決定した。
一方、留置場内の熊楠は相変わらずマイペース。
読書を楽しみ、粘菌の採集も行っている。
看守が釈放を告げた時、「ここへは誰も来ないので静かだし、その上涼しい。もう少し置いてほしい」と言ったそうな。
いやはや、つくづく規格外の大人物である。
昨日、今日と『らんまん』に我らが南方熊楠が「姿なき登場」をはたした。
英文論考+標本+手紙の三点セットで、凄まじいまでの圧倒的存在感!
熊楠以外の誰にこのような真似ができようか。
全国の熊楠ファンは、今週、テレビの前にくぎ付けに違いない。
明日も出るかな~?
明後日はどうかな~?