都城ワイナリーさんのワインを愛でながら、日本神話に思いをはせよう!

宮崎県都城市で高品質のワインを造っている都城ワイナリーさん。
先日アップした記事で、同社のワイン「Amenokoyane」のことを勝手に紹介させてもらった。
また、スパークリングワイン「Konohanasakuya」に関して、同社HP上の英単語の綴りの件なども盛り込ませてもらった。

実は、当ブログから(株)都城ワイナリーさんに、そのスペルについて問い合わせをしてみた。
すると、すぐに社長の山内様から、回答のメールが届いた。
即座に誠実な対応をしていただき、驚きと感謝の気持ちを感じている次第。

本記事をアップすることで、同社と山内社長様へのお礼の言葉にしたいと思っております。
無名のブロガーの質問に対して真摯にご回答いただき、誠にありがとうございました。

さて、都城ワイナリーさんのHP上で「WILL 想い」のページを開くと、『古事記』に登場する「天岩戸」の伝承を紹介しながら、神話の里にワイナリーを設立した意義とワイン造りにかける情熱を語るメッセージが目に飛び込んでくる。

同社HPを一通り拝見させていただいて、当ブログは都城ワイナリーさんのファンになった次第である。
そこで、まったくの微力ながら、勝手に応援していこうと考えている。

では、当記事のタイトル通り、都城ワイナリーさんの商品名から、日本神話の話題につなげていこう。

◎「Kumasotakeru」シリーズ

クマソタケルとは、ヤマトの神々にとっては、敵役にあたる。
『古事記』や『日本書紀』によれば、肥後国(現在の熊本県)から大隅国(現在の鹿児島県)にかけての地域を支配していた土豪とされる。

この「クマソタケル」は兄建(えたける)と弟建(おとたける)の兄弟二人を合わせていう。
さて、「タケル」といえば、「ヤマトタケル」がすぐに連想されるであろう。
実は、オウスノミコト(=後のヤマトタケル)がクマソタケルを討ち取る際に、クマソ側から「ヤマトタケル」という尊称をもらったのだ、と『古事記』にある。

ヤマト側のオウスノミコトは、女装してクマソの宴会に参加し、クマソ兄弟をしたたかに酔わせてから、剣で殺害したのだ。
なんと、ヤマトタケルは日本史上初のコスプレイヤー!

都城ワイナリーさんの「クマソタケル」シリーズには、「2024」「ドライ 2019」「ドライ 2022」「アートラベル」等の銘柄がある。

◎「Tajikarao」

タヂカラオとは、『古事記』では天手力男神、『日本書紀』では天手力雄神と表記される。
名前に「力」があることから、容易に想像がつくように、「怪力の神」である。

スサノオの乱暴狼藉に嫌気がさしたアマテラスが、天岩戸に隠れた伝承はあまりにも有名。
アマテラス誘いだし作戦の際に、岩戸から顔をのぞかせた大御神を外にひっぱり出したのが、このタヂカラオノミコト。
では、なぜ、引きこもっていた天照大御神がほんの少しだけ、岩戸を開けたのかというと、、、、

◎「Amenouzume」

前項の続き。
頑なに岩屋に籠っていたアマテラスが、ついつい、岩戸を少しだけ開けて外の様子をうかがったのは、他の神々たちが大声で笑い転げていたために、「何事だろうか」と好奇心に駆られてのこと。

では、なぜ、多くの神々たちは、笑い興じていたのか、、、、、アメノウズメがもろ肌脱いで踊っていたからだ。
岩戸の前に、桶のような器を置き、アメノウズメがその上に乗って勢いよく踏み鳴らしながら、胸はおろか下半身まで露出してダンスしていたからだ、と『古事記』にある。

アメノウズメは、いわば、日本初のヌードダンサーということになろうか。
日本神話、特に、『古事記』には下ネタが多い。

◎「Toyotama」

では、次に登場するのは、トヨタマヒメ(豊玉姫)。
このトヨタマヒメは、海神(わたつみ)の娘であり、神武天皇(初代天皇)の父親であるウガヤフキアエズノミコトの母親にあたる。

このウガヤフキアエズノミコトは、日向三代の三代目。
当ブログで何度か触れたが、日向三代とは、「ニニギノミコト⇒ホオリノミコト⇒ウガヤフキアエズノミコト」の三柱のこと。
ニニギノミコトは、天照大御神の孫である。

豊玉姫の伝承からすると、現在の皇室は海の神の血脈を受け継いでいることになろうか。

◎「Tamanooya」

続きましては、タマノオヤ=玉祖命(タマノオヤノミコト)。
漢字から想像できるように、玉造部(たまつくりべ)の祖伸とされる神である。

アマテラス岩戸隠れの際に、八尺瓊勾玉を造ったと、『古事記』は伝えている。
この「やさかにのまがたま」は、八咫鏡(やたのかがみ)と草薙剣とで、「三種の神器」を構成する。

◎「Futodama」

さて、お次のフトダマ=フトダマノミコトに関して少々。
『古事記』では布刀玉命、『日本書紀』では太玉命と表記される。
この神も「アマテラス岩戸隠れ」の逸話において登場する。

天照を岩屋から出すために、思兼神(オモイカネ)の提案で、神々が様々な方策を実行した。
このフトダマノミコトは、アメノコヤネと共に太占(ふとまに=占いの一種)を行ったという。
前回の記事で紹介したように、「Omoikane」「Amenokoyane」も都城ワイナリーさんのラインナップに入っている。

◎「Ishikoridome」

常連の皆様の予想通り、このイシコリドメノミコトも「岩戸隠れ」関連の登場キャラ。
思慮の神「オモイカネ」のアイデアの一つが、天照を誘い出すために、鏡を造ろうというもの。
その状況を、蓮田善明氏の現代語訳で引用しよう。

⇒「それから、天の安河のほとりの堅石を取り、天の金山の鉄を採って、鍛冶の天(あま)ツマラという者をさがし出し、イシコリドメノ命に命じて鏡を作らせる」

もちろん、この鏡が八咫鏡で、三種の神器のひとつ。
これまで見てきたように、三種の神器のうちのふたつが「岩戸隠れ」伝承の際に造られたとされる。

◎おわりに

さて、日本神話について詳しく記述するとキリがないので、今回はこの程度で筆を止めておく。
また、機会をみて、都城ワイナリーさんや日本神話を話題にした記事を作成したいと思う。

ワイン党の方は、ぜひ、都城ワイナリーさんの逸品を賞味しながら、日本神話の世界に思いをはせていただきたい。