父方の祖父は従軍経験があり、無事生還した。
一方、祖父の弟(私の大叔父)は戦死している。
毎年、盆や命日にこの二人の冥福を祈りながら、戦争中にどんな体験をしたのかと興味が湧くことがある。
身内のことなので、一杯やりつつ生前の祖父が語ったことなどを思い出しながら、あれこれと細かい状況などを想像するばかり。
先日、何の気なしにネットで個人の軍隊時代のことを調べる方法はないかなと検索していると、「軍歴証明書」の存在を知った。
かつて従軍した軍人や軍属の招集から除隊までの様々な記録が記載された文書らしい。
そこで、今回の記事はこの「軍歴証明書」とはどのようなものかを簡単に説明したい。
1 日本の軍歴証明書とは
満州事変(1931年9月~)以後に従軍した陸軍と海軍の元軍人についての記録文書である。
2 軍歴証明書に記載されている内容は
氏名、官職、招集時期、配属、任官、進級、従軍記録、賞罰、傷病、招集解除時期などが記されている。
3 現在の所管はどこか
*陸軍の軍歴⇒各都道府県の社会福祉担当部署及び厚生労働省が所管している。
*海軍の軍歴⇒厚生労働省が所管している。
え、空軍は?と思った人のために
日本には「空軍」は存在しない。
旧日本軍の場合、陸軍であれば「陸軍飛行戦隊」、海軍であれば「大日本帝国海軍航空隊」がそれぞれの航空兵力の名称。
4 軍歴証明書の発行申請は可能か
3に挙げた各都道府県の担当部署か厚生労働省の担当部署に申請すれば可能である。
ただし、誰でも申請ができるわけではなく、「親等」を基準とした要件がある。
ブログ主が居住する県の場合は、「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」となっている。
5 注意
先の大戦は旧日本軍にとっては敗戦であるから、戦後の混乱期に紛れて資料が紛失したり、空襲などによる火災で焼失している場合もある。
また、激戦地の情報はもとから残っていなかったり、記載が非常に簡略化されていたりすることもある。
6 最後に
この「軍歴証明書」は先祖供養を熱心に行っている人や家系図づくりに関心を持つ人の間ではかなり知られた存在らしい。
自らの不勉強を改めて感じる次第。
せっかくだから、「軍歴証明書」の存在に気付いたことを契機に、祖父と大叔父の記録を発行してもらおうか、と目下考え中である。