蕎麦前で止まる。

蕎麦屋大好き。
といいますか、蕎麦屋で呑むのが大好き。
で、時々、蕎麦屋のオヤジから怒られる。

「あなたは、いつも蕎麦前でとまるから!」と。
そうなんです。
蕎麦も好きですよ。
でも、正確に言うと、蕎麦屋で呑むのが一番好きなんです!

市場の中にある、わずか六席の小さな蕎麦屋。
店長と奥様の二人でまわしております。
まずは、ビール。
生は置いていません。
瓶ビールのサッポロのみ。

店長にも一杯ついで二人で乾杯です。
ここは天ぷらが絶品です。
海老に季節の野菜がいろいろ、冬場はカキも美味い。

二、三品つまんで、ビールは終了。
今日は、日本酒、何がある?と聞くと、朝日山と貴と弁天娘と返ってきます。

まずは、朝日山から。
ここは、日本酒の冷やはすずの器に入れてくれます。
おちょこもすず。
なんか、グラスの器よりも美味しく感じる。
しかし、天ぷらと日本酒は鉄板のコンビですね。
海老天をかじって朝日山を一口。
あ~、幸せ、あ~、旨い!

呑兵衛になる前は、天ぷら定食になんの疑問もなかったけど、今はご飯は要りません。
日本酒があればいいのよ。
だって、コメから造るんだから。

イカ天もいいし、ししとう、カボチャもたまりませんね。
と、朝日山が終わったぞ。
お次は、貴です。
これは、山口県のお酒です。
山口は「獺祭」が全国的に有名ですが、ほかにも美味しい酒はいろいろございます、って別に山口県の回し者ではありませんよ。
ただ、事実を事実として述べているだけです。
知り合いのレストランオーナーに一本「貴」を持っていったら、もう絶賛して、その後ずっとハマってました。

天ぷらもそろそろ、おなかの中に消えていき、
「店長、今日、ヅケはある?」
「あるよ~」
「鴨は?」
「あるよ~」
というわけで、マグロのヅケと鴨肉の炙りを追加注文です。

マグロのヅケは、この蕎麦屋が入っている市場にマグロ専門店があって、そこから店長が仕入れて、ヅケにする。
まあ、この漬け方が絶妙というか、こちらの舌に合うというか、なんとも結構な酒の肴になりますです。
鴨は、「鴨南蛮そば」用の鴨肉を炙ってもらい、一品料理風に。
これを、塩かマスタードあたりをお好みで、チョンチョンと付けて口に入れれば、もう最高ですよ。
ヅケといい、鴨といい、冷酒との相性は抜群です。

そうこうしているうちに、貴も終了。
いい酒はすぐになくなる。

「弁天娘、燗で」と、お次を注文。
弁天娘は鳥取県のお酒で、燗にするとその魅力を発揮します。
と、決めつけはよくないかな?
燗のファンが多いという表現のほうが適切かもしれません。
それと、「辨天娘」が本当は、正しい表記です。
すいません、ちょっと横着なことをしました。

いや~、辨天ちゃんの燗はイイですね。
冷やというか、常温で飲んだこともありますよ。
でも、やっぱり、燗が個人的にはベストだと思います。

燗を楽しみつつ、なんかもう少しだけ、ツマミがあると、、、
で、「店長、床漬けある?」
「あるよ~」

気づけば、本日も、すでにビール、冷酒二合、燗一合、天ぷら、ヅケ、鴨あぶり、漬物と結構な飲みっぷり、食べっぷりでございますね~。

ハイ、そうです、今日も蕎麦前で止まる!
店長、すまん!