前回1の続きです。例によって、英文に番号をふります。
6 It is simple for us to move to a distant place in an instant, to be in two places at once, to fuse two persons into one, or to have one person suddenly be changed into another.
7 Indeed, in our dreams we are the creators of a world where time and space, which limit all the activities of our body, have no power.
6 It is simple for us to move to a distant place in an instant, to be in two places at once, to fuse two persons into one, or to have one person suddenly be changed into another.
文全体の構成は、It is ~ for 人 to do の構文(人がdoすることは~である)で、to 以下が4つ列挙されています。
to以下を一つづつ見ていきます。
to move to a distant place in an instant = 遠い場所に一瞬で移動すること
distant = 遠い、遠方の in an instant = 一瞬のうちに
to be in two places at once = 同時に二つの場所にいること
at once = 同時に(*at once には「すぐに」の意味もあります)
to fuse two persons into one = 二人の人間を(融合して)一人にすること(one personの personが省略されている)
fuse O into ~ = Oを融合(結合)して、Oの状態にする
or to have one person suddenly be changed into another = 一人の人物が突然、別人に変わってしまうこと
have O be changed into ~ = Oを~に変えてしまう
have + O + 原形(ここでは、be )のパターンですが、be changed の形なので、実質はhave + O + 過去分詞のパターンと同じ意味になります。
だから、この部分の訳は、一人の人物が突然、別人に変えられてしまうこと、になります。
ただし、for us が意味上の主語ですから、(我々が)一人の人物を突然、別人に変えてしまうこと、と訳しても正しいです。
四つ目だけ、or が付いているのは、列挙の際のお約束ですね。A, B, C, or D というお決まりの形です。
この一文も夢の特徴的なことを述べていますので、for us を「我々が」と訳すと少し重たくなるかもしれません。
代わりに、「夢の中では」と入れたほうがいいかもしれません。まあ、好みの問題です
では、6全体を訳します。
⇒夢の中では、遠い場所に一瞬で移動したり、二つの場所に同時にいたり、二人の人間を一人に合成したり、一人の人物が突然、別人になったりすることが簡単におこる。
7 Indeed, in our dreams we are the creators of a world where time and space, which limit all the activities of our body, have no power.
Indeed, in our dreams we are the creators of a world = 実際、夢の中では我々は、ある世界の創造主である
indeed = 実際は we = S, are = V, the creators of a world = Cの第二文型です。
we are the creators of a world は名詞構文で、we create a world と読み換えられます。
「我々はある世界の創造主である」⇒「我々はある世界を創造する」
where time and space, which limit all the activities of our body, have no power が a world を修飾しています。
where は関係副詞です。
time and space = S, have = V, no power = O 時も空間もなんの力を持たない
, which limit all activities of our body, の部分は両側にコンマがあるので挿入節、さらに文法的に言うと関係代名詞whichの非制限用法(継続用法)です。
which = S, limit = V, all activities of our body = O ⇒この部分の意味は、「人間の肉体のすべての活動を制限する」です。
*通常の世界(おきている時)は、人間の活動は場所や時間の流れに制限を受けます。夢の世界ではそのような制限がないことを述べている文です。
では、7全体を訳します。
⇒実際、夢の中で、人は世界を創造する。その世界では、本来、人の肉体の活動すべてを制限している時間と空間が何の力も発揮できないのである。
⇒実際、人が夢の中で創り出す世界の中では、通常は我々の身体活動のすべてを制約する時間と空間がなんの意味も持たないのである。