第五文型(SVOC)は「Make America Great Again」で理解しよう!

最初に、一言、お断わりを。
当ブログは、トランプ大統領のファンでもアンチでもありません。

さて、いよいよ今回は第五文型。
SVOCの登場です。

この第五文型を理解するのに役立つのが、「Make America Great Again」です。
トランプさん愛用の選挙スローガンで、まあ、「アメリカを再び偉大にしよう」がよく見る日本語訳でしょうか。

この「MAGA」は主語がありません。
どうしてだかわかりますよね。
(⇒命令文だから)

さて、この命令文では、Make = V, America = O, Great = Cとなります。
ここで、「make O C」は「OをCの状態にする」と直訳することを覚えましょう。
ただ、Cという文法用語は、第二文型でも目にしましたよね。

*ですから、ここで、SVCのCの働きを復習しましょう。

さて、Cという文法用語は、第二文型(SVC)にも登場します。
第二文型のCはSを説明する働きを持っていました。

例えば、America will be great again.という例文で考えると、
America = S, be = V, great = Cの第二文型だとわかりますよね。
訳は「アメリカは再び、偉大になる」あたりでいいでしょう。

主格補語である「great」が主語の「America」を説明しています。
つまり、「America = great」の関係、「S = C」の関係が成立します。
これが、第二文型のポイントでした。

*では、再度、「Make America Great 」を見てみましょう。
前述のように、「アメリカを再び偉大な国にしよう」との意味ですから、「Great」なのは「America」ですよね。
ですから、補語である「Great」が目的語の「America」を説明していることになります。

つまり、第五文型のC(補語)は、O(目的語)の説明をする働きがあるのです。
第二文型の補語とは異なる働きですので、注意しましょう。

⇒SVOCのC(補語)は、O(目的語)を説明する。
⇒目的語を説明するために補う語だから、第五文型のCのことを「目的格補語」と呼びます。
⇒だから、多くの参考書では、SVOCにおいては、「O=C」の関係が成立すると説明します。

もちろん、ここまでの記述は正しいのですが、別の説明も目にしたことがあるのでは?
それは、
⇒SVOCのOCの部分は、意味の上で「主語と述語の関係がある」というもの。

言いかえれば、OCの部分は、意味の上で「OがCである」または「OがCする」の関係がある、と考えてもいいのです。
この立場から、再度、Make America Great Againを見てみると、「America Great」は意味の上で、「アメリカは偉大だ」となるわけです。

この「意味の上で」が重要で、「America Great」には動詞が入っていませんから、文法的には「文」ではありません。
この部分を文にするには、動詞を加えて「America is Great」か「America will be Great 」にしなければなりません。
そして、ここは命令文だから、「現在」ではなくて「未来」に言及するものです。
だから、「America will be Great 」が適切です。

要は、「Make America Great Again」の「America Great Again」の部分には「America will be Great Again」が圧縮されているとみなしてよいのです。

別の例文も見てみましょう。
They named their first son Donald.(=彼らは長男をドナルドと名付けた。 name OC=OをCと名付ける)
They = S, named = V, their first son = O, Donald = CのSVOC(第五文型)

Donaldがtheir first sonの説明となっているので、「their first son = Donald」の関係が成立。
換言すると、「thier first son Donald」の部分は、意味の上では「their first son was Donald」と同じになります。
くどいようですが、あくまで「意味の上で」をお忘れなく。

もうひとつ例文を。
We call our cat Luna.(うちのネコはルナと呼んでいます。 call OC=OをCと呼ぶ)
We = S, call = V, our cat = O, Luna = CのSVOC(第五文型)

Lunaがour catの説明となっているので、「our cat = Luna」の関係が成立。
言いかえると、「our cat Luna」のところは、意味上で「our cat is Luna」と同じです。
あくまで、「意味上で」をお忘れなく。

第五文型に関しては、まだまだ、説明すべきことが沢山あります。
また、第二弾を準備したいと思います。
では、最後に、SVOCのポイントを列挙します。

⇒修飾語を除くと、SとVとOとC(目的格補語)だけになる文を第五文型という。
⇒このCはOを説明する働きを持つ。
⇒「OC」の部分は、意味の上で「OがCである」「OがCする」の関係があると考えてもよい。
⇒つまり、「OC」の部分には、一つの英文が圧縮されていると見なしてもよい。

第二弾では、第五文型のC(目的格補語)に重点をあてて、さらに細かく見ていく予定です。