分詞が分かりにくい、苦手だというのは日本人のせいではありません。
まずは、現在分詞からですが、そもそも、この名前に「現在」がついているのが悪いんです!
進行形でありそうな例文を三つほど
He is talking with a friend. 彼は友達と話している。現在進行形
It was raining when I got home. 帰宅した時、雨が降っていた。過去進行形
I will be seeing Tom tomorrow. 明日、トムに会うよ(会う予定だ)。未来進行形
現在分詞、talking, raining, seeing がそれぞれ、is, was, will be と進行形を構成し三つの英文の動詞として働いています。
現在・過去・未来の「時」は、is, was, will be が示しています。
三つの例文から動詞をとると、文として成立しなくなります。
?? He taliking with a friend. ⇐文ではない。
?? It raining when I got home. ⇐文ではない。節内のI got homeのところは正しい英文です。
?? I will seeing Tom tomorrow. ⇐文ではない。willとtomorrowで「未来」は伝わりそうですが。
ここで、二つのことを確認しましょう。
1 現在分詞だけでは、文の動詞になれない。
⇒be動詞と組んで、はじめて文の動詞として機能する。
2 現在分詞だけでは、「時」を確定できない。
現在分詞自体には「時」を確定する力はないのに、名前に「現在」がついている!
だから始めに「名前が悪い」と書きました。
これは、私の個人的な意見ではありません。
有名な学者Michael Swanが、その著書Practical English Usageで分詞の説明(これが、元ネタです)をしていますので以下に引用します。
下に拙訳をつけました。
“”Present participle” and “past participle” are not very good names: both forms can be used to
talk about the past, present or future.”
⇒「現在分詞」や「過去分詞」はあまり適切な用語ではない。どちらも、過去・現在・未来を語る際に使用できるからだ。
Swan先生、ご協力ありがとうございました。
次に、過去分詞ですが、もう流れは同じです。
過去分詞自体も「時」を確定する力はないくせに名前に「過去」がついている。
だから、まぎらわしい!
では、受け身(受動態)でありそうな例文を三つほど
English is spoken in many countries. 英語は多くの国で話されている。受動態・現在
The window was broken by a stone. その窓は石で割られた。受動態・過去
You will be told in advance. 君には事前に話がいくよ。受動態・未来
過去分詞、spoken, broken, told がそれぞれ、is, was, will be と受動態を構成し三つの英文の動詞として働いています。
現在・過去・未来の「時」は、is, was, will be が示しています。
三つの例文から動詞をとると、文として成立しなくなります。
?? English spoken in many countries. ⇐文ではない。
?? The window broken by a stone. ⇐文ではない。
?? You will told in advance. ⇐文ではない。
現在分詞と同様に、二つのことを確認しましょう。
1 過去分詞だけでは、文の動詞になれない。
⇒be動詞と組んで、はじめて文の動詞 として機能する。
2 過去分詞だけでは、「時」を確定できない。
今回のポイントをもう一度、ここで
*分詞は単独では、述語動詞(文の動詞)にはなれない!
*分詞自体には、「時」を確定する機能がない!
今回はこのあたりにしたいと思います。だんだん、細かいところに触れて、受験レベルまでいけたらいいなとは思ってますが。