正直言って昔は、牧野富太郎博士は好きではありませんでした。
熊楠ファンは多分、ほとんどがそうだと思います。
でも、考えが変わりました。
これは、NHK朝ドラ『らんまん』のおかげです。
この朝ドラの放映期間、ネット記事で牧野博士がよく取り上げられていましたね。
そのエピソードが人間臭くてイイ!
小学校を中退したのに、その後同じ小学校で臨時教員をするとか
22歳で上京していきなり東京大学理学部の植物学研究所に押しかけるとか
まあ、ちょっと半端ない人物ですね。
皆さんご存じ、既婚者にして「14歳の少女」に求婚。
この女性が、あの壽衛さんですよね。
いろんな逸話を見ると、なんか本当に破天荒な人物です。
植物を愛し、植物からも愛された人。
研究のためにお金をつぎ込み、常に借金生活。
妻の内助の功や支援者のおかげでなんとか窮地を脱するの繰り返し。
支援者から研究用に援助されたお金を遊蕩に使ったり、その恩人の別荘のメイドを口説いたり、やりたい放題。
いやはや、規格外の人物です。
「草を褥に木の根を枕 花と恋して五十年」
「家守りし妻の恵やわが学び 世の中のあらん限りやスエコ笹」
粋な人です。
そうでなきゃ、上のようなセリフは出てきません。
熊楠とはまた、ちょっと一味違う魅力に溢れる人物です。
熊楠ファンが牧野博士をあまりよく思わないのは、例の『南方熊楠翁の事ども』の件ですが、、、
まあ、当ブログで一度触れましたので引用はしません。
世の熊楠ファンも牧野博士のことを少しネットで調べてみたら、案外好きになるのではと思います。
実は、ブログ主は今では牧野博士のにわかファンですから。
博士の人間味というか人間臭さというか、熱意全開の生き方はカッコいいと思います。
そこで、一つ先日ふと思いついたことが。
もしかして、牧野博士、熊楠にちょっと嫉妬してましたか?
例の昭和天皇へのご進講の件です。
熊楠のご進講の方が、牧野博士のご進講よりも早いんですよ。
熊楠の場合、昭和4年(1929年)6月。
牧野博士は昭和23年(1948年)10月。
牧野博士が植物学者としては、自分の方が熊楠よりもはるかに格上だと考えていたことは例の件からも十分窺えます。
その格下の相手が先に、陛下へのご進講を行ったわけですから。
とまあ、勝手な想像をしてしまいました。
素人の戯言ということで、ご容赦ください。