先日、地元の友人と湯布院の秘湯といわれる「塚原温泉・火口乃泉」に行ってきた。
温泉県・大分の面目躍如たる名湯だ。
「湯布院の秘湯」と銘打ってはいるが、JR由布院駅周辺ではない。
同駅からは、車で15分は走らなければならない山の中腹にある。
その山(伽藍岳 がらんだけ)の火口下にある、ひなびた温泉が「火口乃泉」だ。
内湯、露天風呂、家族風呂の三か所の施設があり、徒歩約五分で立ち寄れる噴火口を見学することも可能。
最初、内湯の様子を覗いてみると、当たり前の話だが、室内ゆえ外の景色がうかがえない。
じゃあ、露天だなと決めて、料金600円を支払い、露天施設に入場。
これが、正解。
こじんまりとした露天風呂の湯の中でほのぼのしていると、前方に別の山々の姿が目に飛び込んでくる。
様々な樹木、山肌、野鳥のさえずり、午後の陽光、、、、
平日の午後だからか、入浴客は我々二人だけ。
贅沢な気分を満喫していると、十分後ぐらいに、二十代ぐらいの若者が入ってきた。
それでも、たったの三人で源泉かけ流しの露天風呂を占有しているわけで、こちらとしては最高の心持ち。
さて、温泉ファンのために、塚原温泉火口乃泉の泉質などを少々。
*強酸性の温泉で日本三大薬湯と言われている。
*メタケイ酸が多く含まれ、「新陳代謝の促進」「アンチエイジング効果」「コラーゲン生成促進」「細胞修復の促進」等の効能がある。
*酸性泉に含まれる亜鉛・マンガンには「血糖値を下げる」「血管を若返らせる」等の働きがある。
以上は、火口乃泉さんの説明するところから抜粋した。
他にも、この温泉の特徴や施設案内なども同温泉のHPなり、公式インスタでいろいろと紹介しているようだ。
興味がある方は、「塚原温泉 火口乃泉」で検索してみてはいかがか。
火口乃泉さんに関して、ひとつ興味をひかれたのは、この温泉の由来だ。
但し書きには以下のようにある。
⇒「平安時代に源為朝が湯溜まりで傷を癒している鹿を見て温泉を発見したと伝えられています」
なんと、源為朝(みなもとのためとも 1139~1170)の名前が出てくるとは。
豪勇でならした為朝であるから、各地に伝説が残っているようだ。
ある研究者によると、日本各地で36都道府県196か所にのぼるという。
源為朝は、乱暴者で有名だったようだ。
ヤンチャすぎて、13歳の頃に父親の為義に勘当され、九州へと追放された史実があるので、大分県に「為朝伝説」が存在するのも不思議ではない。
為朝と聞いても、ピンとこないかもしれないので、源氏のビッグネーム「頼朝」と絡めて、簡単な関係を見てみよう。
源義家⇒義親⇒為義⇒義朝⇒源頼朝
為朝(*)
義賢⇒義仲(=木曽義仲)
上の略図でわかるように、頼朝の父である義朝と為朝が兄弟になる。
だから、頼朝の叔父にあたるのが、当記事で話題にしている源為朝である。
ついでに、あの有名な木曽義仲と頼朝はいとこ同士ということ。
義仲の父、義賢と頼朝の父、義朝が兄弟だ。
為朝については、「保元の乱」で崇徳上皇側に味方したことにも触れたくもなるが、、、、
またの機会にしよう。
再度、話を塚原温泉にもどそう。
交通アクセスは、基本、車のみだ。
一番近いのは、大分自動車道の「由布岳スマートIC」で、車で火口乃泉まで約五分。
先述のように、塚原温泉は山中の秘湯。
伽藍岳(がらんだけ 1045m)の中腹、標高約800mに位置する。
案内板には、「鉄イオン含有量日本第一位 アルミニウムイオンの多さ日本第二位 酸性度の高さ日本第二位」と誇らしく謳っている。
営業時間は9時から18時までだが、1月と2月は10時から営業開始だとのこと。
友人と話したのは、冬場は山道が積雪で塞がらないかとか、凍結して登れない事態に陥らないのか、などの心配。
県道616号から、火口乃泉の駐車場までは細い山道を車で登板しなければならない。
正直、真冬の訪問は厳しいのではないかと思う。
常連の皆さん、この秘湯に行くなら、やっぱり春から秋までがいいですよ。
あ、わりと近くに、自然動物公園「アフリカンサファリ」もあり。
ライオンやらアフリカ象やらを見て、火口乃泉で汗を流してから山を下って、夕方は大分の都町で一杯飲むなんていうのもいいんじゃないかな?
ということで、今回は大分県湯布院の秘湯を紹介。
大分は日本一の「温泉県」だな、やっぱり。