大東亜戦争後、日本を約7年間、占領統治したGHQは「日本人の意識改革のための啓蒙・宣伝活動」=「日本人洗脳計画」を実施した。
その中心となったのが、民間情報教育局(Civl Information and Education Section = CIE)である。
そのCIEの初期活動方針は次の6項目である。
⑴下記の事項のための勧告を行うこと
①連合国の情報・教育目標の達成を遂行する。
②すべての公的メディアを通して民主主義的理想と原理を普及させることによって宗教崇拝の自由、言論・演説・新聞・集会の自由の確立を促進する。
③日本の敗戦の真実、日本の戦争有罪性、現在及び将来の日本の災害と苦難に対する軍国主義者の責任、連合国による軍事占領の理由と目的を、すべてのレベルの日本公衆に周知させる。
⑵日本の政治的・経済的・社会的再建のためのすべての政策と計画への理解を促すために、すべてのメディアを通して日本の公衆への勧告と情報計画を実施する。
⑶下記の組織と連絡を保持すること
①日本の情報省(*)、文部省(*戦前の日本に「情報省」は無かったと思うが、要は情報担当部門を表しているようだ)
②日本の新聞、放送、映画、その他の情報チャンネル
③教育制度
④最高司令官の情報、教育目標への理解と協同を促すため、宗教、政治、専門職業、社会・商業団体
⑷下記の目的に必要とされる世論調査に関する勧告を行い、また直接指導すること
①占領軍と再建の計画に対する公衆の反応を最高司令官に正確に報告するため
②政策と計画を随時に変更し修正するための基礎を与えるため
⑸最高司令官の情報教育目標設立に必要な計画、題材、方策の開始と作成を指示すること
⑹下記の活動の促進を勧告すること
①日本の教育制度のすべての要素から、軍事訓練も含めて教育原理と実践における軍国主義と超国家主義を排除する。
②民主主義的な理想と原理を適切に普及させる任務を達成するために必要な学校カリキュラムの新しい教育方法の設立
長々と申し訳なかったが、以上がCIEの初期目標であった。
六つの項目を見てもらえばわかるように、連合国やGHQのプロパガンダ色の濃いものとなっている。
文言の中に、「日本の戦争有罪性」「現在及び将来の日本の災害と苦難に対する軍国主義者の責任」「軍国主義と超国家主義を排除」などなど、一つ一つ定義を厳密に問う必要があるものが我が物顔して登場している。
まず、「日本の戦争有罪性」などの語句は極めてナンセンスだ。
当ブログで散々書いてきたように、日本は当時の国際法で認められた「戦争権」を行使しただけである。
それを、戦勝国側が「日本は有罪だ」と無茶な屁理屈を付けているだけ。
連合国の言い分は「勝てば官軍」式の後付けの難癖であり、東京裁判などはそれ自体が国際法違反の茶番劇である。
また、戦前の日本を「軍国主義」とか「超国家主義」と勝手に規定することに、どんな理論的な根拠があるのか?
軍国主義という用語は、「militarism」の翻訳であろう。
これは、戦勝国が敗戦国に対して、一方的に使うプロパガンダ用語だ。
第一次世界大戦後には、ドイツを批判するために戦勝国側が「軍国主義」のレッテルを貼った。
第二次大戦後・大東亜戦争後に、ドイツと日本が同様に連合国から「軍国主義」の汚名を貼られた。
要は、極めて政治的で実体のハッキリしない言葉である。
もうひとつの「超国家主義」も同様で、「ultranationalism」の訳語であろうが、実体が不明瞭な言葉だ。
ナショナリズムの極端な形態とでも言いたいのだろう。
これは、「東京裁判用語」のひとつであり、連合国側のプロパガンダ戦の道具に過ぎない。
ドイツや日本を非難し、貶めるために用いられる、悪意に満ちた単語である。
仮に、「ultranationalism ウルトラナショナリズム」を「極端な国益最優先主義」と訳してみよう。
当時、アメリカもイギリスもソ連も、「極端なまでに国益を最優先して」権謀術数の限りを尽くしながら、軍事力も行使していた。
その意味では、米英ソこそ「ウルトラナショナリズム」の実例であり、ルーズベルトやトルーマン、チャーチルやスターリンは皆、ウルトラナショナリストであろう。
何度も述べたように、「勝てば官軍」で戦勝国は敗戦国をいかようにも批判し、蔑視し、汚名を着せることができる。
それが、人間の歴史だ。
日本は敗北したから、勝者から一方的で理不尽な断罪を受けた。
ただ、それだけのこと。
それにしても、日本を占領統治したGHQの民間情報教育局(CIE)の活動はかなりの成功を収めたと言ってもよいだろう。
日本の左翼やリベラルは、戦前の日本を「軍国主義」や「超国家主義」等の枠に嵌めて、語ることが多い。
まさに、CIEの狙い通りである。
また、この左派連中は、口を開けば「日本の戦争責任」とか「戦争犯罪」というフレーズを使って、祖国を非難し貶めることが大好きだ。
自分たちの思考・発言の根源にCIEによる日本人洗脳計画が潜んでいることにすら気づいていないようだ。
本当に、おめでたい連中で、GHQの掌の上で踊っている己の姿が見えていない。
何度も繰り返しているが、当ブログは右翼ではない。
また、戦争を美化しているわけでもない。
しかし、戦前を検証する際には、戦後約7年間の占領統治下で日本人は言論・思想統制されたという歴史事実を忘れてはならないと思っている。
戦後、GHQが日本人の意識改革を徹底的に行うために、CIEが啓蒙・宣伝活動(=洗脳)に従事した事実。
要は、日本人洗脳計画が行われたという厳然たる事実を常に念頭に置きながら、大東亜戦争を見つめ、評価を下す必要があると考えている。
日本は不思議な国で、事実を事実として語ると、往々にして「右翼」だとか「極右」だと言われる。
しかし、誰が何と言っても、GHQの一部門であるCIEが中心となって、約7年間にわたり日本人洗脳計画を実施したことは、歴史上のまぎれもない事実だ。
このことは、多くの日本人に知ってもらいたいと思う。
今回は、CIEの初期活動計画を簡単に紹介するにとどめておく。
また、折を見て、このテーマで記事を作成したいと思う。