時には童心に帰ろう! ゲゲゲの鬼太郎アニメ第一期第一話『おばけナイター』を楽しむ!

またしても、鬼太郎を観て童心に帰ってしまいました。
例の『私の愛した歴代ゲゲゲ』の第二回目の放送が、4月13日の日曜日。
ただし、当方は別日にTVerにて視聴。

今回は、昭和43年1月から放映開始の『ゲゲゲの鬼太郎』第一期の第一話、『おばけナイター』です。

*ある少年が墓場で、バットを拾う。
そのバットは、「ホームランを打ちたい」と念じればホームラン、「ゴロがいい」と思うと打撃がゴロになるという摩訶不思議な力を持つバットだった。
それもそのはず、そのバットの所有者は妖怪だったのだ、、、、、

とまあ、こんな感じですが、「じゃあ、観てみよう」と思う常連さんのために、これ以上のネタバレは慎みましょう。

なんせ、昭和43年(1968年)の作品ですから、白黒でございます。
たまに見る白黒アニメも、なかなかオツなもの。
もう、すっかり子供の頃に戻って、「鬼太郎」を堪能しましたよ。

常連の皆さんも、たまには少年時代の感覚を再体験してみませんか。
この『私の愛した歴代ゲゲゲ』は、まだまだ続きそうですよ。

ここで、話の焦点を原作者・水木しげるに当ててみます。
コアな水木ファンにとっては、周知の事実ですが、実は、水木しげるはいわゆる知識人とか文化人に非常に受けがいいんですよ。

例えば、鶴見俊輔という学者は、「水木のユートピア 根源的な文明批評」と題するエッセイで以下のように述べています。

⇒「水木しげるの時事漫画を読んでいると、陶淵明の詩を思いだす。一九七〇年代の日本を批評する時の水木の方法は、陶淵明が四〇〇年代の中国の政治を批評したのとほぼ同じものだ。それほど水木の方法は古い。しかし、陶淵明の詩が千六百年たった今でも共感をもって読めるように、水木の漫画も現代にふさわしい批評である」

あまり長々しく引用しても、面白くないでしょうから、ほんの一部分の抜粋だけで止めておきます。
要は、鶴見が水木しげるを極めて高く評価していることが見てとれます。

鶴見以外にも、多くのインテリが水木の魅力にはまっています。
そういう知識人たちは、水木の漫画の中に「知性」なり「教養」なりを感じているようです。
また、彼らの大半は、「鬼太郎もの」以外の作品を称賛する傾向があります。

具体的に言うと、『悪魔くん』『河童の三平』、そして「戦記もの」が代表例でしょう。
確かに、『悪魔くん』や『河童の三平』の世界観は水木ならではのもので、他の漫画家には創造できない作品だと思います。
ここでは、この二作の概要にも触れないでおきます。
興味をもった常連さんに先入観を与えないために。

水木の「戦記もの」漫画も、何作かは読んだことがあり、一種独特の読後感を受けました。
未読の方は、試しに手に取ってみてはどうでしょうか。
水木の代名詞である「鬼太郎もの」とは微妙に異なる、新鮮な印象を受けるかもしれません。

ネタバレ防止のため、内容の紹介ができないので、水木しげるが竹宮恵子(女性漫画家)と対談した際に「鬼太郎もの」や「戦記もの」について語った場面から少し引用してみます。

竹宮:ご自分の作品で一番好きな作品はどういうものですか。執着があるというか、愛着がある作品は?

水木:あまりないんですよねえ(笑)

竹宮:有名なものは「鬼太郎」とかになりますけど。

水木:クソをしたかすみたいな感じでね(笑)

竹宮:描いちゃうと気持ちが離れる?

水木:なかなか気持ちいいというわけにはいかないですね。

竹宮:でも、よくできたものはやっぱり、、、、

水木:いま描いている戦争物なんかは比較的いいという気がするのです。静かで落着いて描けるから。いままでのは、腹が立ったりいろいろすると冷静に描けなかったですけど、三十年も四十年も過ぎると静かになってくるから、いままで気づかなかったことがわかったりするんですよ。いわゆる偶然だとか運命だとかと考えていたようなことが何気ない変な機会にいろいろわかってきたりすると、不思議な気持ちがして。
(ここで、引用は終わり)

上記の対談は、昭和五十五年ごろにおこなわれたもの。
この時代の水木に言わせると、「鬼太郎=クソをしたカスみたいな感じ」だそうですよ、ハハハ。

それにしても、この頃、『私の愛した、、、』を観るのが一つの楽しみになりました。
次回は、何期の何話が放送されるのか、、、、
ただ、若い頃に実際に視聴したのは、第一期と第二期だけですから、第三期以降のアニメはほぼほぼ未体験ゾーンですね。

思い返すと、一期目で好きだったのは、『大海獣』『妖怪大戦争』『吸血鬼エリート』あたり。
あ、『妖花』も大変印象深いものがありましたね。
第二期では、『妖怪反物』『悪魔ブエル』『地相眼』などの作品が、今でも記憶に残っています。

常連の皆さんにとって、思い出深い「鬼太郎」作品は何でしょうか。
また、何かの折に、この話題で盛り上がることもあるかもですね。