女性天皇容認についての調査・議論の杜撰さ ~ 右も左も正々堂々と!

某新聞が最近行った世論調査では、女性天皇容認が81%だったそうだ。
また、別の調査では、女性天皇を認めるという意見が90%に上ったという。

この背景には、『愛子天皇』を期待する声が昨今、増えている事実があるようだ。
(ただし、周知の通り、現在の「皇室典範」は「男系男子」のみを認めている)

テレビにしろ、ネット上にしろ、『女性天皇』について私見を述べる自称コメンテーターや専門家も多士済々だ。
ただ、その多くの場合、議論が杜撰なことが多々ある。
以下に、ブログ主なりの意見・疑問点を少し述べたい。

◎ 世論調査の実施者は、「男系」と「女系」の区別を明確にしたうえで、回答を求めているのだろうか?

私自身は、過去一度も、このようなアンケート調査の対象者となったことがない。
従って、その形式には不案内である。
ただし、この議論には「男系か女系か」という論点が必ず必要ではなかろうか。

なぜなら、いわゆる「保守」や「右翼」にとっては、「男系継承」であることが必要不可欠な条件であるからだ。
(ここでは、保守と右翼の区別をする余裕はないので、悪しからず)

そして、おそらくは、「リベラル」や「左翼」にとっては、「女系」容認への流れを作りたいのであろう。
(ここでも、「リベラル」と「左翼」の定義づけは割愛させていただく)

男系を維持したい層と女系への道を開きたいグループには、正々堂々と議論していただきたい。
そのためには、論議のもととなる資料が適正なものでなければならない。

仮に、ある新聞社が「男系」と「女系」に一切触れずに、ただ「女性天皇を容認しますか」などの問いかけをしたのなら、それは公正ではない。
その場合は、言うまでもなく、左翼やリベラルにとって有利な材料が提供されるからだ。
ただ、いわゆる左傾新聞は、意図的に両者を区別せずに調査することもあるようだ。
(こちらの誤認なら、訂正するが)

◎ 世論調査に回答する対象者は、「男系」と「女系」の違いを認識しているのか?

わざわざ、このようなことを書いたのは、日本国民の中には、「男系」と「女系」の区別がつかない人が多いと聞いたことがあるからだ。

真偽は確かではないが、ある評論家によると、9割以上の人が「男系と女系の違い」を理解していないとのことだ。
もし、これが事実ならば、「女性天皇容認率が90%」などの回答結果には、何の意味もない。
いや、左翼やリベラルにとっては、「しめしめ」だろう。
勝手な希望だが、多くの日本人に「男系か女系か」の定義を明確に把握したうえで、女性天皇を語ってほしい。

芸能人やインフルエンサーなどがSNS等を通じて、皇位継承に関して発信するのなら、最低でも男系か女系かの論点を踏まえた上で、やっていただきたい。

◎ 日本史上の女性天皇はすべて「男系」であるのが事実(もちろん、男性天皇も全員「男系」である)

日本には、これまで、125代の天皇がいらっしゃる。
その中に、「男系女性天皇」が八方十代、いらっしゃった。
(「八方十代」というのは、譲位後に再度即位された女帝が二方いらっしゃった、ということ)

くどい様だが、日本史上に、「女系天皇」の例は皆無である。
右翼・保守は、この歴史上の事実(=歴代天皇はすべて「男系」)にこだわっているのであり、左翼・リベラルはこの伝統を壊したいと考えているのだ。

◎ 皆さん、正々堂々と議論しよう

最後に、当ブログの勝手な提案でこの記事を締めたい。

*新聞社や通信社は、公正な立場で世論調査をしてほしい。
⇒「男系か女系か」の論点を、わかりやすく提示してから、アンケートを行うのでなければ、意味がない。

*右翼や保守は、皇室が「男系」を維持する必要性を誠実に説明すべきだ。

*左翼やリベラルは、「女系」を容認したい(=「男系」を絶ちたい)理由をわかりやすく説明すべきだ。

どういう立場であれ、このような重大な論点に対しては、正々堂々と議論を戦わせなければならない。

ブログ主の印象では、右翼や保守はわりと誠実に「男系維持」の立場を明らかにしながら、発言しているようだ。
一方、左翼やリベラルは「男系か女系か」を曖昧にしたまま、ただ「女性天皇」に言及する傾向がある。

皆さん、正々堂々とした態度で議論を!

追記
ブログ主は、この点に関しては「保守」であるから、「男系維持」に賛成である。
従って、「男系女性天皇」までは容認する。
しかし、その先は、、、、、

最後、「、、、、、」の歯切れが悪いが、この続きはまたの機会に。