埼玉県立高校の男女別学を支持する! ~ 選択肢の多様性こそが重要!

埼玉県の県立高校の男子校と女子校の存続か、共学化かをめぐって議論が起こっているようだ。
県外に住むものゆえ、詳しい背景はよくわからない。
今回、この件で意見を言わせてもらうが、もし、事実誤認があればすぐに訂正したい。

事の発端は、埼玉県内の女子中学生から、「浦和高校に入学したいが、男子校だから自分は入れない」という意見(苦情?)が寄せられたことらしい。

昨年の8月に、埼玉県男女共同参画苦情処理委員会から埼玉県教育委員会へ男女共学化を勧告した。
県教育委員会は、今年4月中旬から県内の中高生や保護者を対象にネットでアンケートを実施し、約6万5000人が回答したそうだ。

以下に、その回答結果の一部を挙げる。

*男女別学校は共学化したほうがよい
⇒中学生で18・7% 高校生で7・8%

*男女別学校は共学化しない方がいい
⇒中学生で19・3% 高校生で57・2%

これから、わかるように、高校生では「別学を維持する方がいい」の意見が多い。
埼玉県教育委員会は8月22日に「主体的に共学化を推進していく」と発表した。

その後、8月27日に県立別学七校の生徒21名と県教委の担当者らが意見交換を行う。
委員会側の代表者は、依田英樹という高校改革統括監。
依田氏の説明を少し、抜粋すると

「『男女共同参画を推進するため』という表現は報告書では使っていない」
「子供が減っていく中で、どのように各地域で男子も女子も自分が学びたい学校に自宅からアクセスできるようにするかが大きな課題だ」
「別学・共学の選択肢は否定していない。ただ、より大切なのは学びの選択肢だ」
「在校生や保護者、関係者の意見には耳を澄ませていきたい」

要は、まだ結論は出していないということらしく、対話を続けていく姿勢のようだ。
では、当ブログなりに男女別学維持を支持する理由を以下に述べたい。

◎ 埼玉県における男女別学維持はジェンダー平等に反してはいない。

平等とは、全員を一つの同じ枠に嵌めることではない。
共学推進派の思考は、「平等=画一化」という単純な図式から生まれていると感じる。

内閣府男女共同参画部のHP内に、男女共同参画社会の説明がある。
それは、「男女が、社会の対等な構成員として、『自らの意思によって』社会のあらゆる分野における活動に参加する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的及び『文化的利益を享受することができ』、かつ、共に責任を担うべき社会」だというものだ。

引用部の『自らの意思によって』と『文化的利益を享受することができ』は当ブログが強調したいために、『 』内に入れたもの。

埼玉県の女子中学生が『自らの意思によって』県立の女子高校に進学することに何の問題があるのだろうか?
同県の男子中学生が『自らの意思によって』公立男子高校を選択することに何の支障があるのだろうか?
正直、ブログ主には共学化に賛成する人たちの論点が理解できない。

男子校には男子校の、女子高には女子高の伝統や文化がある。
別学校を選ぶ中学生が、その男子校または女子高の伝統や校風などに魅力を感じているのであれば、その意思は最大限に尊重されなければならない。

なぜなら、内閣府の説明に『文化的利益を享受することができ』と、明記されているからだ。
埼玉県の別学をすべて共学化すれば、男子高校や女子高校ならではの文化を享受したいと希望する中学生の希望を打ち砕くことになる。

◎ 多様性こそ重要=それぞれが希望や学力に合わせて共学・別学を選べばよい。

現在、埼玉県の国公立高校は133校あり、その中で別学校はわずか12校。
男子高校と女子高校を合わせても、全体の一割にも満たない。
従って、共学校に行きたい中学生の選択肢はしっかり確保されている。

さて、問題の発端は「女子だから、男子校の浦和高校に入学できない」という苦情だという。
ここで、埼玉の偏差値上位校を見ていく。
(   )内がその偏差値である。

*共学校⇒大宮(理数科 73)大宮(普通科 71) 市立浦和(70)
*男子校⇒浦和(72) 川越(69) 春日部(68)
*女子校⇒浦和第一女子(70) 川越女子(68)

浦和に入学したかった中学生は、共学の大宮や市立浦和、女子校の浦和第一や川越女子を選ぶという考えにはならなかったのか?
どうしても、浦和がいいという理由は何だったのか?
自宅から、浦和が一番アクセスしやすかったのか?

ほぼ同じレベルの共学や女子校があるのに、わざわざ男子校の浦和にこだわったのは何故か?

他県の外部者から見る限り、埼玉県の別学校をめぐる環境に問題を感じることはないのだが、、、、
まあ、県内人にしか理解できないウラの事情もあるのかもしれない。

ただ、当ブログは、一般論として、画一化よりは多様性を評価するゆえに、埼玉県の別学維持を支持する。
現在、自分の希望と学力に合わせて、埼玉の中学生は共学が別学かを選択できる環境にある。
この多様性を維持することこそ、自由と平等を保障することに他ならない。

◎ おわりに

憶測だが、この件にはいろいろと大人の思惑や事情がからんでいるような気がする。
また、邪推かもしれないが、端緒となったいう中学生の苦情が本当に中学生からのものなのか、、、
ジェンダー平等などの分野は左翼やリベラルの活動家が跳梁跋扈するところでもある。

あまり、憶測でものは言えないので、この辺にしておくが、、、
前述したように、部外者ゆえの事実誤認があれば、速やかに訂正する。