埼玉県立男女別学校を維持しよう! ~ 共学校に行きたくない子供の権利を守ろう!

地元民ではないけれども、再度、埼玉県立男女別学の共学化推進に反対したい。
埼玉県内の諸々の事情には疎い。
だから、あくまで一般論として言いたい、「共学校に行きたくない子供の権利を守ろう!」と。

埼玉県内の公立高校は133校で、うち別学校は12校にすぎない。
つまり、共学を希望する中学生の選択肢はしっかりと確保されている。
同県には、「学区制」なるものが存在しないから、基本、県内のどの共学校へも出願できる。
だから、共学で学びたいものは、希望と学力と家庭の経済力などに合わせて進学先を決めればいい。

先日、埼玉県教育委員会教育長が、「埼玉県男女共同参画苦情処理委員」に宛てた「措置報告書」をネット上で見つけた。
全15ページからなるこの文書を、ざっとななめ読みしたうえで、部外者なりの意見を書きたい。
例によって、県外在住のものゆえ、事実誤認があれば速やかに訂正する。

◎ 別学を希望する子供の権利を守ろう。

教育委員会の中学生へのアンケートで、男子校に行きたい男子が3・5%、女子校に行きたい女子が3・4%であった。

男子校を希望する理由の上位三つは
1 部活動や学校行事が魅力的
2 学校の伝統・雰囲気に魅力があるから
3 自分の学力に合っている

理由の1と2を見ればわかるように、その男子校ならではの個性・特徴に惹かれている。

女子校を希望する理由の上位三つは
1 男女別学であるから
2 学校の伝統・雰囲気に魅力があるから
3 部活動や学校行事が魅力的

女子の理由の第1位に注目してもらいたい。
要は、「共学校には行きたくない」を意味している。
少数意見ではあるが、埼玉県に女子校がある現在は、十分にその権利が保障されている。

しかし、もし、今後の改革で県内の女子校がゼロになったら、共学校が嫌な女子中学生はどうすればいいのだろうか。
埼玉県教育委員会には、この点を重視してほしい。

別学を希望する子供の権利を守り続ける環境こそ、自由で平等な社会だと思う。
全ての高校を共学にするのは、ただの「画一化」であり、「多様性の中に平等を見出す」ことができるのが真に「自由」な社会である。

◎ 大人の都合も大事だが、生徒の希望を優先させよう。

さて、15ページからなる措置報告書の中に「今後の方向性」という項目がある。
そこから、少しばかり文言を正確に引用する。

⇒「県立高校の女性管理職及び女性教職員の割合について、県立高校全体として女性管理職を増やすとともに、特に男子校における女性管理職について、女子校や男女共学校との均衡を図る。また、男子校の女性教職員の割合、特に女性教員の割合について、男女共同参画を推進する観点から、学校間の均衡に努める」

他県の者なので、引用部が意味することがよく理解できないが、どうも「大人の事情」というやつらしい。
教職員の方々や各高校内部の状況もいろいろあるだろうが、県立である以上、県民の立場にたって、特に別学を強く希望する県内の中学生の立場にたって活動していただきたい。

繰り返す、一番大事なことは、「共学校には進学したくない」という子供の意思を最優先し、別学校を維持することだ。

◎ 時の流れとともに自然な変化もおこるから、拙速の改革だけはやめた方がいい。

今回の記事を作成するにあたり、埼玉県の男女別学校のことを少しだけ調べてみた。
古くは明治時代に創立された高校が数校あり、おそらくこれらの学校は長い伝統と素晴らしい校風に支えられた独自の教育環境を持っているのだろう。
もちろん、大正時代、昭和に誕生した別学校を軽んじているわけではないが、、、

また、わかる範囲で、別学校の入試倍率も調べてみた。
すると、中には定員ギリギリのところもあるし、定員割れしている学校もあった。

今後の少子化の流れの中で、定員に満たなくなった別学の二校を一校に統合するというのなら、これは自然な変化だと思う。
共学化を急がなくても、時の流れとともに、案外自然に落ち着くかたちに至るのかもしれない。

措置報告書は、「県教育委員会として、今後の県立高校の在り方について総合的に検討する中で、主体的に共学化を推進していく」という文言で締めくくられている。

文中の「総合的に検討する」と「主体的に」という箇所について、直接、担当者に質問してみたいものだが、部外者ゆえ、それはかないそうにない。

ただ、くれぐれも、拙速の改革だけは避けて、慎重にことを進めていただきたい。

◎ 「共学ネット・さいたま」という市民団体とは?

措置報告書の「県民からの意見聴取」という項目の中で、「共学ネット・さいたま(市民グループ)」の名前が挙がっている。
県教委は令和5年10月から令和6年7月にかけて、この団体から四回ほど意見聴取を行っている。
ということは、この市民グループが県立高校共学化を推進しよう、と熱心に活動しているのだろう。

さて、埼玉県の事情には暗いので、ネットであれこれ検索したら、「埼玉新聞」の記事に当たった。
その中に、共学ネット・さいたまのことが紹介されている。
同紙から少し引用してみる。

⇒「埼玉県男女共同参画苦情処理委員会による県立男女別学校の「共学化」勧告を巡り、共学化推進を求める市民団体共学ネット・さいたまの会員らが10日、県庁で会見し『これからの社会に共学化は必要だ。一歩を踏み出してほしい』と訴えた。同団体は会員数約200人。同委員による1度目の勧告が行われた2001年度から活動している」

この団体の考えや主張を詳しく知りたいと思い、ネットで検索したが、HPらしきものは無いようだ。
もし、ブログ等で意見を公開しているのなら、ぜひ一読してみたいとも考えてはいる。
どういう市民団体なのだろうか?

◎ 再度、「画一化≠平等」と「選択の多様性≠差別」を強調したい。

埼玉県の諸事情には明るくないので、再度、一般論として述べておきたい。
県内の高校をすべて共学化することは、単なる教育環境の「画一化」であり、別学を望む生徒の選択の「自由」を奪う行為である。

つまり、全校共学化は別学を志望するこどもの自由選択の「権利」を奪う「抑圧」である!
一部の人間の権利を踏みにじる環境は自由でもなければ、平等でもない!

共学校・男子校・女子校という三つの選択肢があれば、各自の意思に従い、志望校を決定すればよい。
この多様性は、誰の権利・自由も侵害していないし、誰を差別してもいない。
選択の多様性があるからこそ、誰もが希望先を選ぶ「権利」を「平等に」行使できるのだ。

最後に、この件の発端となったらしい女子中学生について。
浦和高校が男子校だと知っているはずの女子が、わざわざ「女子だから、浦和に入学できない」と苦情を申し立てるものだろうか?
本当にこの女子中学生は実在しているのか?

追記
県外在住の部外者ゆえの事実誤認があれば、速やかに訂正したい。
前出の市民団体の会員の一人は、「勉強するのに性別を問う必要はない。合理的な理由のない区別は差別だ」と主張している。

当ブログは、別学維持は「差別」だとは思わない。
この点や保護者の視点等も含めて、また、この件に関する記事を作成するつもりだ。