最近アップしている記事にはヘビや昆虫が頻繁に登場する。
今回も、ヤマカガシ、つまりはヘビの話題だ。
ブログ主が幼い頃の動物図鑑では、「無毒種」だと説明されていた。
だから、安心して、素手で捕獲しては遊び道具にした。
それが、「有毒種」に改められたのは、1974年のことらしい。
ながらく無毒種と誤認されていた理由は、毒牙が奥にあり、しかも短いことが関係する。
つまり、一瞬噛まれたぐらいでは、毒が人体に注入されないわけだ。
子供時代に、さんざんヤマカガシを捕まえた。
ただ、無毒と思い込んでいたとはいえ、一度もヤツらに我が身を噛ませてはいない。
さて、タイトルにあるようにヤマカガシは二種類の毒を持つ。
ひとつは、牙から注入する毒。
もうひとつは、首の皮下にある「頸線」と呼ばれる独自の器官から出す毒である。
大雑把に言うと、口の中と首のあたりの二か所に別種の毒を有しているのがヤマカガシだ。
◎ 牙から注入する毒
ヤマカガシは多くのヘビと同様に、噛むことで、牙から毒を敵や獲物の体内に注入する。
その毒は、専門的には「タンパク毒」と分類される。
ほとんどの毒蛇が持つ毒が、このタンパク毒である。
タンパク毒を「デュベルノワ線」という器官に蓄積しておいて、イザという時に、相手を噛んで毒を送り込む。
あまり知られていないようだが、ヤマカガシのタンパク毒はマムシの数倍も毒性が強い。
実は、国内最強クラスの毒蛇と言っても過言ではないらしい。
もう、今後一切、ヤマカガシには手を出さないと誓う!
◎ 首から出す毒
他の毒蛇にはない、ヤマカガシ独自の毒がこれだ。
ヤマカガシの首の皮下には、「頸線」という器官が存在する。
その頸線に「強心性ステロイド bufadienolide 類」を蓄積している。
このタイプの毒はヤマカガシが自分で合成しているのではない。
餌として捕食したヒキガエルから体内に取り入れている。
となると、ヒキガエルを食べていないヤマカガシの首からはステロイド系の毒は分泌されないようだ。
子供の頃、何度もヤマカガシを捕獲し、その首根っこをつかんでいた。
しかし、その頸部から何かが噴出されたような記憶がない。
ということは、ブログ主が捕まえたヤマカガシは、ヒキガエルを捕食していなかったのか?
確かに、実家の周辺では、めったにヒキガエルの姿は見なかった。
この頸部から噴出される毒が飛び散って、人の目に入ると失明する危険性もあるという。
決して、棒などで叩かないようにと、専門家は警告する。
(ブログ主は、ガキの頃、棒や角材でヤマカガシを押さえつけては、捕獲したものだ、、、、危なかった!)
◎ やや専門的な用語を紹介
少々、専門的な話だが、ヘビの牙などから人体に注入される毒を「ベノム」という。
一方、皮膚との接触や食したために人間に悪影響を与える毒を「ポイズン」と呼ぶ。
厳密な定義はもっと細かいようだ。
ただ、一般的には、人間が食べた時に病気になったり、死に至る場合、「その動物はポイズンを持つ」と表現する。
そして、人が噛まれたときに体調を崩したり、死亡した場合、「その動物はベノムを持つ」と説明する。
◎ むやみに蛇との触れ合いなど、しない方が無難
何度も書いたように、ガキの頃は、ヤマカガシを何匹も捕獲しては、遊んでいた(=ヤマカガシを虐待)。
噛まれた経験もなく、首から出る毒を浴びたこともない。
たまたま、運がよかっただけだろう。
捕まえる際には、常に最新の注意を払って、牙の攻撃を避けていた。
また、おそらく、実家周辺のヤマカガシはヒキガエルを常食としていなかったのだろう。
我が身の悪運の強さに感謝したい。
◎ 常連の皆様方へ
もし、常連の皆様がたの身内や知り合いに、「昭和のガキ」タイプのお子様がおりましたら、ヤマカガシの危険性をしっかりとお伝えください。
ヤツには毒があると。
しかも、牙と首と、二カ所に別種の毒を持つと。
決して、関わり合いにはならないように、と諭してください。