ポレポレ英文読解・例題26に挑戦 1

例題26

There is general apathy to if not positive distrust of science itself as a search for truth;for, to the ordinary American, science is identified with mechanical inventions. Ask an American to name the greatest scientist of this country and he will very likely reply, “Edison.” As a nation, we respect only the practical application of science and have regard for the efforts of inventors and promoters rather than those of the scientific discoverers.

*受験英語でいうところの「名詞構文」が多い例題です。

general apathy to science itself as a search for truth⇐(a)とします

apathy to ~=への無関心⇐名詞構文です、ほぐすと、「人が~に無関心だ」
science itself =科学そのもの、科学自体
⇒なぜ、itselfがついているかも、考える必要がありますので、とりあえず、「そのもの」とか「自体」と訳をつけましたが、後から、訳を変えるかもしれません。

as a search for truth =真理の探究として(⇐ここも名詞構文と考えてもいいのでは?)
名詞構文として、ほぐすと「人が(科学者が)真理を探究する試みとしての」となります。

a searchは可算名詞で英英辞典の説明ではsearch=an attempt to find somethingになります。 

positive distrust of science itself as a search for truth(b)⇐これを(b)とし、上の(a)とif not をかませてつなぐと、

⇒general apathy to if not positive distrust of science itself as a search for truthとなり、これがもともとの形です。

さて、(b)の部分は典型的な名詞構文です。
ofの前にあるdistrustが意味の上で動詞の働き、ofの後ろのscience以下が意味の上で目的語になっています。

ここを仮に文にすると、people positively distrust science itself as a search for truthになるでしょう。
peopleがS、 distrustが V、 scienceが Oの第三文型です。

あとは、positiveの処理です。
この文脈では、「強い、明確な、断固とした」という感じではないでしょうか。
英英辞典の説明と例文を下に引用します。

positive: expressed clearly and usually peremptorily
Her answer was a positve no. 彼女のこたえは、断固とした「ノー」だった。

では、この部分の訳です。

⇒真理探究としての科学自体にたいして、人々は強い不信感を持っている。
⇒科学そのものが、真理を探究するためにあるという考えなど、人は頭から信用していない。

では、if not を確認しますが、この部分はやや難解です。
というのは、A if not B には、「BとはいわないまでもA」、「Aであるが、ひょっとしたらB」などの異なる解釈があるからです。
もちろん、文脈しだいです。

ある英英辞典は最初のif notをalthough not, 次をperhaps evenと説明しています。
例文を引用します。

It was a good if not very imaginative performance. (if not=although not)
非常に想像力溢れるとまでは言わないが、すぐれたパフォーマンスだった。

They cost thousands if not millions of pounds to build. (if not=perhaps even)
それらの建設には数千ポンド、ひょとしたら数百万ポンドの費用がかかる。

あとは、generalですが、とりあえずここでは、「一般の」にしておきます。
世界全体の中でgeneralなのか、ある国・地域においてのgeneralなのかも考える必要がありそうです。

では、セミコロンの前までの訳を考えてみます。

名詞構文をあまり気にしない場合、 if not の解釈で二通り
⇒真理を探究する試みとしての科学自体に対して、強い不信感ではないにしても一般的な無関心がある。
⇒真理を探究する試みとしての科学そのものには一般的な無関心があるが、もしかしたら強い不信感があるかもしれない。

名詞構文をほぐして訳す場合、ここも二通り
⇒科学そのものが真理を探究するものだという考えに、人は強い不信感を持ってはいないにしても一般的には無関心である。
⇒人は、一般に、科学が真理を探究することなどには無関心であるが、ひょっとしたら、そんなことは頭から信用していないかもしれない。

この部分の訳は、全文を確認したら、少し変わってくるかもしれません。
それにしても、ここは時間がかかりましたね。
では、次です。

for, to the ordinary American, science is identified with mechanical inventions.

forは等位接続詞で、前文の理由の説明、「というのは」と普通は訳します。
to the ordinary American は前置詞 to で始まる文頭の副詞句です。

the ordinary American のtheは、「その」ではありませんよ。
「総称用法」のtheですから、「一般のアメリカ人」を総称しています。

総称用法のtheの例文を下にひとつ
The tiger is in danger of becoming extinct. 虎は絶滅の危機に瀕している。

science is identified with mechanical inventions. ⇐受動態の形をしています。
S identify O with の目的語を主語にして、S is identified with にしたものです。

この部分をpeople を主語にして能動態で文をつくると、People identify science with mechanical inventions. となります。

さて、mechanical inventions の訳は「機械の発明」でも可ですが、inventionsが複数形なので、可算名詞です。
つまり、個々の発明品や発明のアイデアを意味しています。

mechanical inventions ⇒「発明された機器や装置」のことです。
この表現も形容詞+名詞でまとめてますが、ほぐして、「新しい機器を発明すること」としてもいいと思います。

では、for 以下を試しに訳します。
⇒というのは、一般のアメリカ人にとって、科学とは新しい機器を発明することと同じだとみなされているからだ。

能動態で訳してみます。
⇒というのは、普通のアメリカ人は、科学とは新しい機器を発明することだとみなしているからだ。

もっと、ぶっちゃけに訳すと
⇒なぜって、普通のアメリカ人は頭の中で、「科学=新発明の機器」って考えているからだよ。

ここまで確認すると、science itselfとgeneralのところも大体わかってきましたが、次回にまわしたいと思います。