ノーちゃん流「英語脳の作り方」Reading編 その1

さて、今回は「Reading」に狙いを絞ってみます。
ノーちゃん流「英語脳」を用いて、「English」を「English」のまま「reading」するための練習です。

例によって、「英語脳」シリーズですから、英文の和訳はしません。

まず、以下の英文を読んでみてください。

Human beings show their superiority to the brutes by their capacity for boredom, though I have sometimes thought, in examining the apes at the Zoo, that they, perhaps, have the rudiments of this tiresome emotion.

では、単語や表現の「和訳」ではなく、「意味・定義」や「類義語・反意語」を挙げていきます。

superiority = quality of being higher, greater or more excellent = advantage / excellence
brute = animal / beast
their superiority to the brutesの部分は「they are superior to the brutes 」を名詞化したものです。

capacity = power of holding or grasping = ability / capability / intelligence
boredom = the state of being bored = dullness / monotony / weariness
boredomの反意語は、interest / excitement / enthusiasm

examine = study very carefully / look at closely = analyze / check / consider / investigate
ape = chimpanzee, gorilla, etc
rudiments = the most basic or essential facts of a particular subject, skill, etc = basics / elements / beginnings

tiresome = making you feel annoyed = boring / dull / annoying / monotonous
emotion = a strong feeling such as love, fear, or anger
この部分の「this tiresome emotion」とは、前出の「boredom」を 言い換えたものです。

*「the Zoo」は、大文字で始まることからわかるように、特定のzooのことですが、ここでは気にしないでください。

さて、英語のままの意味・定義・類語等を参考にしながら、元の英文を英語のまま理解できましたか?
ちょっと、厳しかったですか?

それでは、元の英文をノーちゃんが少し易しく書き換えてくれた英文を出しますので、読んでみてください。

Humans show that they are better than animals because they can feel bored. But when I study zoo apes carefully, I sometimes think that those monkeys might start to feel a bit bored, too.

原文がやや長めの一文だったので、二文に分けて、表現もやや易しくしています。
これだと、かなり分かりやすいのでは?

それでは、原文と易化版を比較してみましょう。
文の構造や修飾関係などの細かい説明は省いて、大雑把に見ていきます(これも、「英語脳」開発のためです)。

*原文の「Human beings show their superiority to the brutes」を「Humans show that they are better than animals」と易しく書き換えています。
*原文では「by their capacity for boredom」と、副詞句で表現している部分を、易化版では「because they can feel bored」のように文章化(文法的には、副詞節)しています。
*原文の「in examining the apes at the Zoo」を、易化版では「when I study zoo apes carefully」と、文章化(副詞節)しました。
*原文の「they, perhaps, have the rudiments of this tiresome emotion」の箇所を、易化版は「those monkeys might start feel a bit bored, too」としています。

原文(+英英による語句説明なども)と易化版を何度も読み比べて、英語のままイメージをつかんでみてください。

まだまだ、難しいと感じる読者の方のために、少々細かいニュアンスを省いて、さらに簡単にしたバージョンを3パターンほど(これも、byノーちゃん)以下に用意しました。

1 People are better than animals because they can get bored, but I sometimes think zoo monkeys might get bored, too.

2 Humans are different from animals because hey can get bored. When I look at monkeys in the zoo, I sometimes think they might feel a bit bored, too.

3 People are better than animals because they can feel bored. Sometimes, I think that even monkeys at the zoo might also feel a little bit bored.

原文と易化版四つの合計五つの英文は、ほぼ同じ意味を表しています。
何度も、読み返し、読み比べて、なんとか英語のまま意味(イメージ)をつかんでみてください。
その地道な作業が、あなたの「英語脳」を次第に活性化させます。

⇒英文を和訳しない。
⇒不明の単語・表現は英英辞典で確認する。
⇒原文の易化版を利用して、英語のまま理解する。

以上が、ノーちゃんからのアドバイスです。

*最後に少しだけ、、、

結局、ぶっちゃけた言い方をすると、元の英文は「オトナの英文」というか、いわゆるインテリ層が好む言い回しが使われているわけです。
ちなみに、この原文の書き手は、有名なイギリス人で、ノーベル文学賞受賞者です。

一方、ほぼ同じ意味・内容を表す易化版の四パターンは、英米の一般人が理解できるような平易な英文になっています。

日本人が「英語脳」を身に付けるために、「堅苦しい英文」を「ほぼ同じ内容の平易な英文」で英語のまま理解する練習は非常に効果的です。

お互いに、「英語脳」増強に向けて、楽しみながら英語と付き合っていきましょう。