ソ連の日本人強制連行を「ソ連の側にも事情があった」と擁護する日本人学者!

すでに何度も当ブログで紹介したように、昭和20年8月にソ連は「日ソ中立条約」を一方的に破棄して、満州を蹂躙し、樺太、千島列島にも侵攻した。
その背景には、ヤルタ秘密協定があることも別の記事で触れた。

スターリン、ルーズベルトそしてチャーチルという20世紀を代表する三大悪党の陰謀のせいで、日本の軍人のみならず、何の罪もない大勢の民間人が殺された。
満州や朝鮮半島などで、極悪非道のロシア兵(囚人兵が多く動員されたという)に乱暴された日本人女性も数知れない。

普通の日本人の感覚なら、このロシアの掟破りの戦争犯罪を未来永劫、恨んでも何の不思議もないと思う。
(それとも、ブログ主の感じ方が、おかしいのだろうか?)

ところが、日本人でありながら、そういう心情とは無縁の女性学者がいる。
今回は、名前は出さない。
某大学教授で、日本近現代史が専攻、特に戦争に関しては数々の著作を持つ。

その学者先生のある本を最近、通読してみた。
日清戦争、日露戦争、大東亜戦争(本人は、太平洋戦争の呼称を用いている)などを様々な角度から分析したものだ。

その中で、この不思議な感覚を持つ女性学者は以下のように、のたまっている。

⇒「終戦時には200万人の日本人が満州にいたわけです。侵攻してきたソ連軍によって、ソ連のシベリア地域やモンゴルなどの地域に抑留された日本人は約63万人。ソ連の側にも事情があった。ドイツとの間に続いてきた熾烈な戦争によって、ソ連国内では労働力が不足していた。そこで、鉄道建設や林業などに、日本人捕虜を勤労させる」

この部分を読んで、愕然とするのは私だけだろうか?
ソ連に対する非難めいた記述は一切なく、「ソ連の側にも事情があった」と、ソ連を擁護する発言とは!
読後、一瞬あきれた後、物凄い怒りがこみ上げてきた。
何十万人の日本人に地獄の苦しみを与えた敵に対して、「ソ連の側にも事情があった」だと?

このソ連による日本人強制連行・抑留は、明白な国際法違反であり、人権蹂躙であり、組織的な拉致行為である。
ソ連の「対独戦」による労働力不足を理由に、あの暴虐非道な蛮行を正当化できるはずがない。
この大学教授は、正常な感覚が壊れているのだろうか?

大戦後のソ連国内の労働力不足も、もとはと言えば、スターリンの自業自得である。
独ソ戦が始まる前から、国内の反対勢力を次から次に粛清(=殺害)したスターリン。
1921年頃から、気に入らない人間を片っ端から殺しまくり、二次大戦開始前の時点で、粛清による死亡者数は約1000万人とされる。
あのヒトラーのホロコーストで、命を落としたユダヤ人の数(約600万人)よりも多い!

また、どんな理由があるのか知らないが、この女性学者はソ連の残虐性を柔らかい言葉で表現する。
引用文中の「日本人捕虜を勤労させる」との記述には、我が目を疑った。
あれは「勤労」などという耳触りのよいものではなく、劣悪な環境下における「強制労働」「捕虜虐待」「殺人」である。
何万人の我が同胞たちが、命を奪われたと思っている?

もう、この辺で常連の皆さんはお気づきであろうが、この学者は左派である。
数年前に話題になった、菅政権時の「日本学術会議任命拒否」問題をおぼえている常連さんもいるだろう。
この教授は、あの時に任命拒否された数名の中の一人だ。

さて、このソ連大好き女性教授は、さらに以下のような素晴らしい(?)ご高説を垂れている。

⇒「確かに、満州からの引き上げ体験は過酷なものであったはずです。被害や労苦の側面から語られがちであるのは仕方ありません。ただ、そうした惨禍を生んだ根本に、日本政府の政策があったことを忘れてはなりません」

この左翼学者の言う「そうした惨禍を生んだ根本に、日本政府の政策があったことを忘れてはなりません」とは、当時の日本政府が満州開拓移民を奨励したことを指している。

日本の満州移民政策が、なぜ、引き上げ時の悲劇の「根本」なのか?
あの惨禍の「根本」は、間違いなく、ソ連軍の満州蹂躙であり、それを煽った英米の陰謀である!
大学教授のくせに、「因果関係」も正しく把握できないのか?

誰がどう考えても、「ヤルタ秘密協定+ソ連の満州侵攻」が「原因」であり、「引き上げ時の生き地獄」が「結果」だ。
政府の移民政策で、多くの日本人が満州に居住していた事実は、あの「地獄」に至る、あくまで間接的な諸条件の一つに過ぎない。

それとも、大学教授のわりには、日本語が下手くそなのだろうか?
だから、「根本」などという表現をするのか?
そういえば、青木理も日本語の用法がおかしかった。
お二方は、日本や日本人を腐す前に、日本語をしっかり勉強した方がいい。

このような調子で、日本の経験した複数の戦争に対して、自分の意見を表明しながら、当時の敵国(英米露中)には好意的な態度をとり、自分の祖国である日本を批判・攻撃する記述を散りばめている。
まあ、左翼のいつものやり口だ。

それにしても、日本人でありながら、日本や日本人を貶めて、何が楽しいのだろうか?
その他にも、戦後の対応等に関して「過去を正しく見つめるドイツ人、そうはならない日本人」などと、ドイツ人の肩を持ちつつ、日本人に説教するような対比を持ち出す。

ナチスドイツの引き起こした戦争やユダヤ人大虐殺と日本の大東亜戦争とでは、全く内容・性質が異なっている。
この人、本当に「戦史」を研究しているのか、と疑問に思ってしまう程、頓珍漢な発言が多い大先生だ。

ナチスドイツのホロコーストと、当時の国際法が認める「戦争権」に則った日本の行動を、「何」をもって「どのように」比較検討した上で、日本とドイツの戦後補償等に関して「優劣」をつけているのか、全く意味不明である。

とにかく、一から百まで「日本が悪い」と言っておけば、気分がイイのだろう、ああいう左派連中は。
腹立たしいことも多いが、ある意味で哀れな存在だな、とも思う。
左翼思想(=宗教)に洗脳され、GHQの亡霊(=占領政策)に呪縛されていることに気づけない人たちだ。

前段の内容について、蛇足めいたことを少し。
当ブログは、「宗教全般がよろしくない」と言っているわけではない。

要は、「左翼思想が宗教であることに気づいていない」人たちを気の毒に思っている。
また、自覚していながら、自分たちが権力を得るために「左翼思想は科学的で理想世界を生み出す」とか「左翼思想こそ真理だ」と唱えて、不勉強な人々を騙し、支配しようとしている連中に憤りを覚えているだけだ。

当ブログの常連さんたちは、常識的で知的な方々だから大丈夫だ。
と、なんか、話の流れが当初の内容と少しズレてきたような、、、、

今回の記事はこのあたりにしておこう。

追記
宗教は、時に人を救い、時に人を破滅させる。
ただ、多くの宗教は、自ら宗教であることを隠してはいない。
だから、常識的な人間ならば、嫌なら近寄らなければいいし、もしくは十分用心して接するなり、信仰すればいい。

だが、中にはある種のサークルやボランティア団体の「仮面」を被っているものもある。
入会した後に後悔しないためには、やはり個人が二つの常識(知識としての常識と判断力としての常識)を身に付けるしかない。

左翼思想がタチが悪いのは、その本質が宗教であるのに、宗教だと名乗っていない点にある。
とまあ、これも蛇足でしたか、、、