世界史の教科書に載っている有名人、クリストファー・コロンブス(1446~1506)。
ハッキリ言って、コイツはとんでもない悪党。
このワルはジェノヴァ出身のイタリア人。
スペインのイザベル女王をスポンサーにつけて、大西洋を横断した。
つまり、コロンブスの航海はスペインの国家事業だったということ。
1492年に、コロン(⇐スペインでは、コロン)はバハマ諸島のサンサルバドル島に到達。
その後、アメリカ大陸にも上陸。
しかし、コロンボ(⇐イタリアでは、コロンボ)は現在のアメリカを「インド」だと思い込んでいたので、先住民をインディオ(インディアン)と呼んだ。
今でも、コロンブスが到達した島々は「西インド諸島」と言われている。
このコロンブス(=コロン=コロンボ)は稀代の悪党で、金(きん)を獲得するために暴虐の限りをつくした人物。
では、時代劇の悪代官も真っ青の、この極悪人コロンブスの悪行三昧を以下に。
◎部下の手柄を横取り
コロンブス一行がインドを目指して、航海している時、最初に陸地を見つけた者には高額の賞金が与えられることになっていた。
ある夜、ロドリゴという名の船員が月夜に白く浮かぶ砂浜を見つけて、歓声を上げた。
現在のバハマ諸島の一つの島であった。
本当なら、報奨金はこのロドリゴの手に渡るはずだったが、コロンブスがその前夜に灯りを見たと言い張り、部下の手柄を横取りしてその金を我が物にした。
すがすがしいまでの強欲さである。
◎先住民を奴隷化・虐殺
コロンブス一行はカリブ海の島々を巡り、彼らが「インディアン=インディオ」と呼んだ先住民を捕らえては捕虜とした。
1495年には大規模の奴隷狩りを行い、捕らえた先住民から500人を選んで、スペインへ送ろうとした。
だが、航海の途中で、そのうち200人が命を落とした。
生き延びてスペインに到着した300人のインディオたちは、当地の教会役員によって競りにかけられた。
インディオを奴隷化することには何の罪の意識のなかったコロンブスは、後に以下のように記録している。
「父と子と精霊の御名において、売れんかぎりの奴隷をさらに送りつづけられんことを」
当時のキリスト教徒の思い上がりと言うか、自分たちの「神」の名のもとに冷酷無比の振る舞いを正当化する態度。
こういう恐ろしい事実はもっと多くの人に知ってもらいたいと思う。
コロンブスはハイチのどこかに金(きん)があると信じ込んでいた。
そこで、この悪魔は13歳以上のインディオ全員に金を集めて来い、と命じた。
コロンブスとその一味は、金を持ってこれなかったインディオの手を切断したため、多くの先住民が出血多量で死亡した。
コロンブスとキリスト教徒を恐れて、インディオ達は逃げたが、執拗に探し出されて、捕まったら最後。
縛り首や火あぶりであまたのインディオがコロンブスたちに虐殺された。
当初、ハイチには25万人の先住民が住んでいたが、二年後にはその数は半分にまで減ってしまった。
コロンブスによる大虐殺と運命をはかなんだ先住民の自殺がもたらした結果である。
島には金が豊富にはないことを知ったスペイン人は、インディオを奴隷として酷使し始める。
自分たちの広大な所有地(=本来ならば、先住民の土地)で、先住民を強制的に労働させ、虐待した。
劣悪な環境の中、インディオは次から次に死んでいった。
1550年には、アラワク族(=西インド諸島の先住民)は500人にまで減少し、その百年後には一人もいなくなった。
このように、キリスト教徒は「神」の名のもとに、異民族を絶滅させたのである。
◎それでも名前が残るコロンブス
*アメリカでは、1492年10月12日のコロンブスによるアメリカ到達を記念して、「コロンブスの日」が10月の第二月曜日に祝われている。
アメリカでは、「Columbus Day」と呼ぶ。
もちろん、州によっては、認めていない。
他の国でも、10月12日当日か、その前後を祝祭日としている。
*南米のコロンビアの国名はもちろん、コロンブスに由来する。
*アメリカの首都、ワシントンD.C.=Washington District of Columbiaもコロンブス由来。
*群馬県桐生市に「コロンバス通り」というのがあるらしい。
この桐生市が米ジョージア州のコロンバス市と姉妹都市関係にあることから、この通りの通称となったようだ。
米のコロンバス市は、もちろん、コロンブス由来である。
◎ここ最近は評価を見直す動きが、、、
アメリカでも、コロンブスの像が撤去されたり、この悪党の評価を見直す機運が高まっている。
2020年には、ボストンでコロンブス像の首が落とされる事態が起きた。
◎最後に
ここ最近、大航海時代(=大侵略時代・大虐殺時代)に関して、いろいろと本を読んでいると、あの当時の西欧人の独善性・残虐性にはほとほと呆れ果て、戦慄し、怒りをおぼえてならない。
あの連中の蛮行とキリスト教の恐ろしさはもっと多くの人に知ってもらいたい。