へぇ~、「さす九」なんて言葉があるんだ! ~ 九州は男尊女卑の地?!

そもそも、祖父は普段は家にいなかった。
居酒屋二階の愛人宅に寝泊まりしていたからだ。
で、気が向くと、ぶら~と本宅に帰ってくる。

その日は、たまたま祖父の姉の子供たち、つまり私の父のいとこたちが遊びに来ていた。
楽しくはしゃいでいたところへ、祖父が帰宅するや、急にしおらしく、おとなしくなる子供たち。
羽目を外しすぎると、雷が落ちることを、よ~く理解していたからだ。
私が子供の頃、父のいとこたちから、聞いた話。

明治男の皆が皆、そうではなかろうが、うちの爺様には、なんか威圧感と言うか一種の威厳のようなものがあった。
もちろん、今風に表現すれば「男尊女卑」を地で行くタイプである。
最近、ネットで「さす九」という言葉を見て、祖父のことなどを思い出してしまった。

さて、「さす九」とは「さすが九州」の略らしい。
そして、この「さすが」は誉め言葉ではなく、九州に根強く残る(?)男尊女卑の悪風を揶揄したもの。

西日本新聞が『男尊女子やゆ「さす九」SNSで拡散 九州の住民から「地域差別だ」との声』という記事を掲載するや、ネットの世界で大きな反響を呼んでいるらしい。
そういう自分も、関連ニュースを目にしたから、本記事を作成する気になったのだから、しっかり踊らされているのか?
ハハハ。

まず、九州人の端くれとして思うに、「さす九」が「地域差別」だとは思わない。
確かに、以下に挙げる項目を「男尊女卑」の根拠とするなら、九州、特に地方部には、今でも見られると思うからだ。

*風呂に入る順番は、父親⇒男の子⇒母親か女の子
*女の子には高学歴は必要ない(=大学進学は必要ない)との意見が強い
*家で会合や宴会を行う際には、料理を前に酒を飲むのは男だけで、女性は雑用係のような位置づけ
*気軽に女性の年齢を尋ねてきて、未婚だと「早く結婚すれば」と余計なおせっかい
*男は、とにかく身の回りのことをせずに、妻にやらせる
*案外、女性(姑、妻)の言動が男尊女卑の気風を助長する

まあ、個人的には上記のようなことは、九州に限らず、いわゆる田舎に行けば、日本のどこでも観察できるものではないかと感じているのだが、、、、
常連さんたちの生まれ故郷では、どんな感じなのだろうか?

では、少し、自分の若かった頃を思い返してみると

⇒入浴は、確かに、父⇒私⇒母か妹の順番だった
⇒父も母も「女は大学に行かなくていい」と言っていたのは事実
ちなみに、妹は短大卒
⇒父は、身の回りのことは、ほとんど何もしなかった
母は専業主婦

さて、父方も母方も酒飲みが多い、呑み助家系なので、実家や母の実家に親戚一同が集合して、よく宴会をしていた。
その時々で少しずつ状況が異なるので、昔の記憶をたどってみたい。

*女性陣が奮闘するパターン

私の母を中心に、女性軍(母の妹たち、叔父の妻たち)が早くから台所で様々な料理を準備する。
煮物、焼き物、汁物、揚げ物などなど。
男連中は、広間でもう飲み始めている、乾きものをつまみにして。

ある程度の料理が運ばれてくると、いったん、全員が着席して「乾杯」となる。
その後、オヤジたちはバカ話しながら飲んで、食って、、、、
女性たちは、残りの品々を完成させるために、再度、台所へ。

*男が少しだけ働くパターン

生きた鶏で美味しいものを作る時は、男の出番。
元気のいいニワトリを調達して、〆てから、血抜きをして、羽をむしって、細断して、、、、

このあたりの手順は男の腕の見せ所で、キレイに切り分けた鶏肉や内臓を台所に運んで、女性陣にバトンタッチ。
そこから、煮たり、焼いたりの担当が母と叔母たち。

鶏のさばき方にも、旨い下手がある。
母の三人の弟の一人、義晴(よしはる)叔父が抜群に腕が良かったのを、今でもおぼえている。

あと、魚を酒の肴にする際も、鱗を取り頭をはねて、大雑把にさばくのは、男連中が担当していた。
デカい鯛、ブリ、鯉なんかを見事な手並みで仕事する父や叔父の腕前に感心したものだ。

*女性たちも最初から参加するパターン

寿司、盛り皿料理などを業者に注文することもしばしば。
この場合、女性陣の負担は、ほとんどなし。

当然、「乾杯」の後は、皆と一緒に女性たちもしっかり食事を楽しむ。
まあ、時折、ビールや日本酒を台所から運ぶのはお願いしたのだが。

とまあ、なんか、いつの間にか、宴会の説明が多くなってしまった。
仕方ないか、ハハハ。
それと、上の宴会の例は、数十年前の話、念のため。

九州以外の人が、ここまで目を通したら、「九州って、とんでもない!」とか「ふざけるな!」とか言われそう。
すいません、別に九州代表ではないけれども、ホント、九州の男って最低ですね~、ってお前もだろ!
しかし、いわゆる男尊女卑の価値観とは無縁の九州男たちがいるのも事実ではないだろうか。

それに、前述したように、九州限定の悪習なのか、それとも、日本各地に残るものなのか、じっくり検証する必要があるのかもしれない。

こういう分野は調べたことがないので、断言はできないものの、田舎の風習ではないだろうかと感じる。
常連の皆様方のご意見を伺いたい。

ということで、ブログ主は他県の人たちから、「さす九」と揶揄されても、別に腹は立たない。
そういう面が、今も九州に存在することは否定できないようだから。
ただ、その範囲というか、地域別の実体やその程度については、一括りにはできないと感じている。