お盆におもうこと

毎年、お盆には墓参をする。
正確に言うと、墓と納骨堂。

あまり詳しくはないが、そもそも盆行事の始まりは、「父母恩重経」や「盂蘭盆経」というお経が関係しているらしい。
もともとの日本人の先祖崇拝と中国の盂蘭盆会が結びついたとか、なんとか、、、

ただ、「盂蘭盆経」にしろ「父母恩重経」にしろサンスクリットの原典は存在しないという。
批判的な人が、これらを「偽経」と呼ぶ所以である。
いや、そもそも、経典が作られたのは、釈迦入滅後のことである。
当然、歴史上の人物としての釈迦もその弟子たちもお経を唱えることなどなかった。
釈迦その人は、妻子を捨て、出家した。
家よりも、家族よりも、真理追究に重きを置いた。

このように冷静に考えると、本来の釈迦の教え(初期仏教、原始仏教、根源仏教など呼び名は様々)と日本の盆行事にはなんの関係もないことがわかる。
こんな理屈を言い出したのは、大人になってからで、子供の頃は、親と一緒に墓参することに何の疑問も持たなかった。
父は盆の間は「飲み」で忙しい。
もっぱら、母と墓参をしてから、母の実家へ。
すると、母の兄と弟たち、合わせて四人が飲みの真っ最中。
墓参を済ませて、堂々と宴会?で大盛り上がり。
自分たちの子供のころの話やら、父母(私の祖父母)の話題で笑ったり、ちょっとだけしんみりしたり。
とにかく、昭和のオヤジたちは「盆と正月」が合言葉で、この期間は朝から飲んでもいい!とばかりに大騒ぎ。

そう、庶民には盆の由来とか意味とか関係なし。
墓参という仕事を終わらせたら、親や爺さん、婆さんの話もしながら、世間話もしつつ、近況報告もしたりしながら楽しく飲んで食べて、、、
まあ、要は、夏のイベントですね。
場所によっては、盆踊りもあるし、花火大会もあるし、灯篭流しも。

自分が成人してからは、お盆の時期は同窓会がちょくちょく入ったもので。
やはり、地元に同級生が帰省してくるから。
基本、この時期は仕事が休みの人が多いから、連絡も入れやすい。
当方にも、13日の夜に大学時代の同期から電話があり、お互いの近況報告など交わしたり、再会を約束したり。
普段、疎遠な間柄でも、自然に会話できる機会でもあるみたい。
なんか、そう考えるとありがたい行事ではあるようだ。

当初はお経がどうのこうのと小難しいこと?を書いたが。
まあ、そういうのはナシで。

ということで、今年も父方の墓、母方の墓、納骨堂の三か所、プラス祖父の愛人の墓の計四か所にお参りを。
祖父には、生前、愛人が三人おりまして、そのうちの一人だけは墓の場所を知っているので。
父から、聞いて確認してからは、毎年、墓参しては手を合わせている次第。
その女性の家(祖父の別宅)にも、ほんの子供の頃に行ったこともあるし、、、
可愛がってもらったようだ。

さて、墓参も済ませたことだし、呑兵衛ぞろいの先祖たちの供養?をかねて、飲みに出ますか。
って、ただ自分が飲みたいだけ!
ハハハ!