『鬼平犯科帳』DVDコレクションを視聴 ~ ディアゴスティーニの回し者ではありません!

最初に、一言。
当ブログは、ディアゴスティーニの回し者ではありません。

こんな断わりを入れたのは、先日発売の『鬼平犯科帳 DVDコレクション1』を購入したから。
早速、第1話「暗剣白梅香」と第2話「本所・櫻屋敷」を楽しく視聴しました。

第1話の敵役(金子半四郎)を演じるのは、近藤正臣。
全然関係ないですが、私の母方の祖父の名前も半四郎でした。

近藤正臣といえば、ドラマ『柔道一直線』でピアノを足で演奏する場面は有名。
今は、すっかりダンディーでヨガの達人をきどる片岡鶴太郎の「こんど~ぉです!」でもお馴染み、って古いか。

やはり、中村吉右衛門の「鬼平」はイイですね~。
まあ、正直言うと、他の役者の「鬼平」はほとんど観ていないんですけど、ハハハ。

第2話では、早くも密偵の一人「相模の彦十」が登場。
江戸屋猫八がいい味出してます。

密偵は、盗賊側からは「犬」と蔑まれております。
実際には、火付盗賊改方の非公認の捜査員は「差口奉公 さしぐちほうこう」と呼ばれていた模様。
一般の時代劇で、「岡っ引き」「御用聞き」「目明かし」などの名前で活動している者たちのこと。

鬼平子飼いの協力者を、「密偵」とか「犬」とか命名したのは池波正太郎先生のアイデアでしょうか。
やはり、才能ある作家は言葉のセンスが素晴らしいです。

鬼平こと長谷川平蔵は実在の人物。
延享2年(1745年)の生まれで、寛政7年(1795年)没。

若いころに放蕩無頼の生活を送ったというのは、事実らしいですね。
游里で豪遊して、父親の遺産をきれいさっぱり使い果たしたことが資料に残っているようです。
一方、父親の長谷川宣雄は非常に優秀な旗本であったらしく、貴賤を問わず、多くの人がその死を惜しんだと伝えられています。

さて、平蔵が火付盗賊改方の長官に就任したのが、天明7年(1787年)のこと。
翌年の4月に、解任されるも、その半年後に再任されます。
ドラマの第1話は、この長官返り咲きの場面あたりから始まりますよ。

周知の通り、火付盗賊改は若年寄の管轄下。
鬼平シリーズでは、時折、火盗改と対立する北町奉行所の様子が描かれています。
町奉行や勘定奉行は、若年寄ではなく、老中が管轄。

日本史好きの人ならご存じのように、老中の方が若年寄よりも格上。
大老は臨時職ですから。

ちなみに、鬼平が火盗改長官を務めていた頃の老中は、松平定信。
あの「寛政の改革」で有名な方ですよ、って試験前に暗記しましたよね、皆さん。
実は、鬼平と松平定信とは折り合いが悪かったというか、どうも定信が平蔵を嫌っていたようです。

研究者によると、定信の自伝『宇下人言』には、「長谷川何がしという者は、功利をむさぼるために山師などというよくないこともあるようで、、、、」などの記述があるそうで。
さて、老中の言うところの「功利をむさぼるために」とは、一体、平蔵のどのような行動を指しているのでしょうか?

これは、鬼平が資金調達のために銭相場で利益を上げていたことを批判したもの。
え、なんのために平蔵がお金を稼いでいたかって?
それは、人足寄場の運営資金を補充するためだったんです。

その人足寄場(じんそくよせば)とは、長谷川平蔵が設置した一種の刑務所で、世界初の罪人更生施設でございます。
鬼平は、寛政2年(1790年)にこの施設を立ち上げました。
寄場内では、無宿人の手に職をつけさせるために、大工・建具・塗物・紙すきなど20種以上の職業訓練を行っていたのです。

もちろん、幕府からも寄場に運営資金が下されていましたが、すぐに4割も削減されたといいます。
その不足分を自分の才覚で補おうと、鬼平は銭相場に手を出し、見事、利ザヤを得て運営資金に充てたのですよ!
なんとまあ、一流の剣客だった平蔵が、相場師としても活躍したとの逸話、、、凄いですね。

当時、武士が相場をやるなんて、前代未聞の事態。
だからこそ、松平定信は苦言を呈したのでしょう。

定信らしいといえば、定信らしい。
なにせ、「白河(=定信のこと)の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼(=田沼意次のこと)こひしき」と揶揄されたお方ですので。

松平定信ファンの皆様、気を悪くしないでくださいね。

話をDVDの件に戻します。
例によって、創刊号はお手頃価格なんですよ、ディアゴスティーニさんの戦略で。
なんと、490円。

それが、第2号からは、税込みで1999円ですから。
う~ん、どうしようかな~?

創刊号の冊子には、「定期購読の案内」とか「創刊号~第23号の購読で『根付3点セットプレゼント』」とか「毎号+350円で『呑兵衛セット』をお届け」とか、あの手この手の策略が満載。

乗せられたくはないんだけどな~。
ただねぇ~、「吞兵衛セット」は確かに、魅力的ではあるんだな、これが!

ということで、今回は、「やっぱり『鬼平犯科帳』は名作だ!」の巻でした。
ん、記事のタイトルと違うか、、、、