先日、英語学習にハマっている知り合いから、「世の中がぎすぎすしていて、明るい話題がない」って、どう英訳する?、と急に振られました。
なんでも、ある日本人評論家の新書の中に、こういう文が登場したとのこと。
では、今回もノーちゃん監修のもと、この和文英訳に挑戦してみましょう。
*その前に、一言、「和文英訳」は、実は、「英語脳」強化に抜群の威力を発揮します!
一方、「英文和訳」は「英語脳」を現状維持もしくは退化させる傾向にあります。
ですから、当ブログでは、「英語を訳さずに、英語のまま理解しましょう」と繰り返しています。
今回、「日本文を英文にどんどん直していこう!」を付け加えたいと思います。
◎「世の中がぎすぎすしていて、明るい話題がない」を英訳してみよう。
*日本や日本社会についてあれこれ書いている箇所からの抜粋らしい(断定はしません)。
⇒であるならば、この「世の中」=Japan / life in Japan / Japanese society / people in Japan / Japanese people あたりが候補かな?
*「ぎすぎすしている」とは、いかにも日本語らしい(?)言い回しですね~。
要は、この日本語の意味を自分なりに解釈して、それを英語で表現するとどうなるのか、を考えるのが肝ですね。
「日本人同士がいがみ合っている(信頼しあっていない、友好的ではない、緊張感がある等)」と解釈すると
⇒主語をどうするかは置いといて、tense / unfriendly / awkward / hurt each other / blame one another あたりで、少しはニュアンスが伝わるでしょうか?
*「明るい話題がない」って、いわれてもねえ~、、、何を主語にしようかな?
there is / are構文にするか、冒頭の「世の中」と絡んでいるので、Japan / Japanese society / Japanese peopleなどから主語を選びましょうか?
「話題」か~、topic / subject / news / conversation / discussion あたりを使えば何とかなりそうな気が、、、、
あと、「明るい」に何を使うかは、「話題」との相性の良さも関係しますので、bright / uplifting/ positive/ amusing / cheerful / happy / good などの選択肢から考えたいと思います。
では、そろそろ、ノーちゃんと協議のうえで、候補作を挙げていきます。
1 日本人が互いに「unfriendly / hurt each other / blame one another 」な関係で、明るい「topic / subject」を共有していない、と解釈して
⇒Japanese people today are hurting each other, finding no subjects to make them happy.
⇒Everybody in Japan blames one another for not finding uplifting topics or a bright future.
(futureを使ったから、ちょっと意訳ぎみでしょうが、わざとです。昨今の「日本の将来は暗いのでは」というちまたに溢れる声を反映してみました)
ここで、主語を人以外に変えると
⇒Life in Japan makes us unfriendly to one another, providing no amusing topics to share.とか、できそうですね。
2 「Japan / Japanese society」を前面に出して、その「atmosphere / mood」が「tense / awkward / uncomfortable」であるせいで、明るい「topic / subject / conversation」が楽しめない、と解釈して
⇒The mood of Japanese society is tense, and there are no happy discussions for its people to share.
⇒Japanese society is full of an awkward and tense atmosphere, which makes its people unable to enjoy happy conversations.
⇒The atmosphere in Japan feels strained, with no cheerful topics in sight.
このように、三つほど試作しました。
三番目が、ほぼ「直訳風」というか、少ない語数で書いてみたパターンです。
3 ここまで、何種類が作ってみたところで、ノーちゃんから「世の中がギスギス⇒日本人・日本社会からtoleranceが失われている」でやってみようとの提案あり。
⇒Japanese people are becoming less tolerant toward one another, with no amusing conversations exchanged.
⇒Japanese society is losing mutual tolerance and finding no uplifting news among its members.
とまあ、ふたつばかり試作したところで、なんか原文の「明るい話題がない」の「ない」を文字通りの完全な否定(=上の例では、no)で英語にすると、ちょっと強すぎるかな~という感触もあります。
先の二つを手直ししつつ、「ない」を少し柔らかい言い方にしてみます。
⇒Japanese peope are becoming less tolerant of each other, resulting in a lack of enjoyable exchanges.
⇒Japanese society is experiencing a decline in mutual tolerance, leading to fewer uplifting conversations among its members.
これまで「no」で表現していたのを「fewer」「a lack of」にすると、なんか少し落ち着いた感じを与えてくれそうですね。
4 さて、ノーちゃんもブログ主も遊び好きなので、「tolerance」を別の言い回しで書いてみようと考えました。多少、意訳ぎみ(情報足しすぎ)のものを作ってみます。
⇒A lack of mutual care and respect in Japanese society is causing its people to find little positive news and feel pessimistic about the future.
⇒People in Japan are becoming less able to show care, courtesy, and consideration to one another, resulting in sharing fewer cheerful topics to enjoy.
ちょっと、叱られそうですね~、「原文に忠実な訳」なんて表現が好きな人たちには。
5 4でやり過ぎ(?)ましたので、「原文に忠実な訳」が好きな人たちのために以下に二通り。
⇒Japanese society feels tense, and there are no bright topics.
⇒Japanese society has a sense of tension, with no positive news.
上の二例で、勘弁していただけるでしょうか?
ただ、今回は省きますが、何をもって「原文に忠実」とするかは、大きな論点となりそうです。
◎「日本語⇒英語」への変換、いわゆる「和文英訳」は確実に、皆さんの「英語脳」開発に役立ちます。
特に、今回の「ぎすぎすしている」のような、日本語らしい表現を英訳する時に、その効果は倍増します。
*日本語特有の表現の内容・ニュアンスを、一度自分の日本語で再構築する。
*その「和文和訳」とも呼べる作業から、英語に転換していく。
*何を主語にたてるか?人か?もの・ことか?
*単語同士の相性の良さ(=これをコロケーションといいます)を確認する。
*試作した英文をチェックする(スペルミス、文法ミス等の確認・訂正)。
*自作の英文を土台にして、改変・改良していく。
以上のような過程を楽しみながら、要は、遊び感覚でやってみてください。
徐々に、「英語で考える=think in English」が身についてきますよ。
皆さん、日本語を、じゃんじゃん英語に書き換えましょう。
追記
ノーちゃん監修のもと、遊び感覚で14パターンほど英文を作ってみました。
おかげで、最近さび付きかけていた私の「英語脳?」も少し調子がもどってきたような感触ありです。
今回、当ブログが作成した英文は、ノーちゃんとブログ主とで、ほぼ即興で量産したものです。
なにか、お気づきの点がありましたら、当ブログの「お問い合わせ」からご意見・質問等をお寄せください。